何かの暗号? 軍用機がミサイルを発射するとき「フォックス・ツー」とか言う意味とは

映画『トップガン』などで「フォックス〇〇」という言葉を聞いたことはないでしょうか。この言葉、実はミサイルの種類を味方に知らせるために大事なものとなっています。

FOXはミサイルを発射することを指す

 映画『トップガン』やゲームの『エースコンバット』シリーズなどの創作物で、ミサイルを発射する際、パイロットが「FOX(フォックス)1(ワン)」、「FOX2(ツー)」、「FOX3(スリー)」などと言うことがあります。これ、別にキツネのこと言っている訳でなく、ちゃんと意味があるのです。

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F-35から発射されるAIM-120「アムラーム」ミサイル(画像:アメリカ空軍)。

これは、発射するミサイルの種類を味方に教える略式コードになっています。 “FOX”は、いわゆる西側陣営最大の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が使う「NATOフォネティックコード」と呼ばれるものを、さらに略したものです。

 NATOでは、言語の異なる国のパイロットどうしが、無線通話などにおいて重要な事柄を聞き間違えないよう簡潔に伝達するためのコード(暗号)を採用しており、FOXが略される前のコードは「FOXTROT(フォックストロット)」という言葉になっています。

 フォックストロットは社交ダンスの競技名でもありますが、NATOでは「Fire(攻撃)」の意味として使われています。つまり、武器が発射されたときなどに伝えるコードです。ちなみに、社交ダンスのフォックストロットもキツネは関係なく、ハリー・フォックスという人が考えたスタイルだからとのことです。

 さらにFOX1、2、3にも意味があり、戦闘機が敵戦闘機に向けて発射する空対空ミサイルの種類を指しています。

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