何かの暗号? 軍用機がミサイルを発射するとき「フォックス・ツー」とか言う意味とは

映画『トップガン』などで「フォックス〇〇」という言葉を聞いたことはないでしょうか。この言葉、実はミサイルの種類を味方に知らせるために大事なものとなっています。

元々は同士討ちを避けるための注意喚起だった

 FOX1は主にセミアクティブレーダーホーミングというミサイル発射後、着弾まで目標をレーダー波の照射内に捉え続け、誘導するミサイルを撃つときに使用します。西側のミサイルで代表例はAIM-7「スパロー」です。

Large 20230813 01
AIM-9「サイドワインダー」を発射するF-16(画像:アメリカ空軍)。

 FOX2は、AIM-9「サイドワインダー」など、相手の熱源を探知して追尾する赤外線誘導式ミサイルを使う際に使用されます。「スパロー」よりも近い距離で交戦した場合に使われるケースが多いです。セミアクティブレーダーホーミングのミサイルほどの射程はありませんが、撃った後は自動で熱源を探知して追尾してくれるので、別の敵機がいた場合、すぐに回避行動をとることもできます。

 FOX3はAIM-120「アムラーム」やAIM-54「フェニックス」といった、アクティブレーダーホーミングミサイルを発射するときに使用します。このミサイルは、セミアクティブレーダーホーミングのミサイルとは違い、ミサイルに搭載されたレーダーで標的を自動追尾するので、赤外線誘導のミサイルよりも遥かに距離が離れた場所で、撃った後に即離脱することも可能です。

 こうした「FOX〇」と伝えるきっかけとなったのは、初めてセミアクティブレーダーホーミングである「スパロー」を標準装備した戦闘機であるF-4が登場した1960年代にさかのぼります。当時のレーダーロックオンは、味方機が敵機の近くにいると誤ってロックオンしてしまうケースが発生しやすかったそうです。

 もちろん、ロックをしないように確認はしますが、誤射してしまう可能性はゼロではないので、無線で「FOX1」と発射警告を伝えるようになり、そして「スパロー」とは発射形式が違う「サイドワインダー」を区別するために「FOX2」としたようです。そして、その後アクティブレーダーホーミングミサイルが登場すると「FOX3」として区別されるようになりました。

 なお、NATO諸国ではない西側陣営の同盟国も同じコードを使っています。航空自衛隊もアメリカ軍の同盟関係にあるので同様です。ブラジルやコロンビアなど、アメリカと関係の深い南米諸国も同様にこのコードを使用しているそうです。

 一方、ロシアなど東側陣営には元々このようなコードはなく、ミサイルとロケットの区別もないので、「ロケット発射する」また「誘導式のロケットを発射する」と言うようです。

【了】

【あ! そこに積むんだ】ステルス機がミサイルを発射する際に開く武器庫(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号