「電柱に衝突」の東海道線車両 損傷の程度は?先頭車では “天井落下”も 今後どうなる

「衝撃吸収構造」は有効に機能した?

15両編成のうち7号車から15号車まで損傷

 JR東日本は2023年8月6日(日)、東海道線・大船駅構内で列車と電化柱が衝突した事故について、車両の損傷状態を公表しました。

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今回電化柱と衝突した東海道線のE231系車両(画像:写真AC)。

 8月5日(土)の21時24分頃、東海道線(小田原発横浜行き臨時列車)が藤沢~大船間走行中、電化柱と衝突。横須賀線、京浜東北・根岸線も運転を見合わせ、約15万人に影響しました。
 
 電化柱や架線、車両の損傷が大きかったことから運転再開まで長時間を要し、駅間に停車した列車は乗客を降車させ、翌日8時に運転を再開しました。この事故により、3人が負傷、9人が体調不良を申告しています。

 当該となった東海道線のE231系車両は15両編成で、7号車から15号車まで、広範に被害が出ています。特に横浜方先頭車(15号車)の損傷が大きく、電化柱が衝撃した前面は窓ガラスが割れて変形。客室は天井板や吊手棒が落下してしまっています。それ以外の号車は、屋根や空調装置がダメージを受け、7号車のパンタグラフは架線と絡まって損傷しました。
 
 JR東日本によると「電化柱と衝突した当該の車両は6日に国府津車両センター(神奈川県小田原市)に収容しました。今後修理して走らせるか、廃車するかどうかについては、現在行っている詳細な車両調査の結果をもとに判断することになります」(広報部)と話します。
 
 ちなみに、JR東日本は1994年に登場した横須賀・総武快速線用のE217系から「衝撃吸収構造」を採用しています。先頭車両には、衝突時にエネルギーを吸収する「クラッシャブルゾーン」、運転士や乗客を保護する「サバイバルゾーン」が確保されています。今回の事故で衝撃吸収構造が有効に機能したかについてJR東日本は「現在、詳細な車両調査を行っており、現時点では判明していません」(同)としています。

 JR東日本は今後、同様の箇所の緊急点検や原因究明を実施し、必要な対策を講じるとしています。

※一部修正しました(8月7日16時54分)。

【了】

【天井が落ちた東海道線の車両(画像で見る)】

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