“先頭で合流”はズルくない 渋滞緩和に貢献する「ファスナー合流」とは

高速道路のインターチェンジやパーキングエリア、サービスエリアからの本線への合流の際に、車線が絞られる「先頭の部分で」合流する方法「ファスナー合流」を推奨している人がいます。これが渋滞緩和に役立つとされています。

あちこちで合流するとクルマの流れが悪くなる

 夏の連休で混雑が予想されている高速道路、本格的な混雑時期を前にSNSでは「ファスナー合流」を呼び掛けている人たちをちらほらと見かけます。

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合流部分での渋滞の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 ファスナー合流とは、高速道路のインターチェンジやパーキングエリア、サービスエリアから本線への合流の際に、車線が絞られる先頭の部分で合流する方法のことです。この方法は走行車線を走るクルマも合流場所が予見でき、1台1台スムーズに合流が可能になるため、渋滞をある程度緩和する効果があるとされています。

 特にNEXCO中日本はこのファスナー合流を呼び掛けており、2019年11月末には、「ファスナー合流大作戦」と題して。愛知県・名神高速上り線の一宮JCTでラバーポールを設置し、先頭の部分での合流に誘導するようにしました。その結果、名神と東海北陸道を合わせた渋滞による損失時間が約3割減したそうです。

2023年現在でもNEXCO中日本はホームページ上でファスナー合流を紹介し、「合流時は、加速車線の先頭まで進み、1台ずつ交互に合流する“ファスナー合流”にご協力をお願いします」と呼び掛けています。

 しかし、未だにファスナー合流方法は「ズルい」と見ている人も多いようで、車線がなくなる地点まで直進するクルマを非難するSNSの投稿が論議の対象となることも珍しくありません。特に渋滞などでノロノロ走行の場合、合流レーンの途中で合流しようとする人を追い抜いて、車線が減少する先端まで走って入ろうとすることを「先回り」と感じる人は多いようです。

「ファスナー合流大作戦」のようにラバーポールを設置すれば、半ば強制的にファスナー合流にできますが、加速車線に十分な長さがない場所では導入が難しいという問題もあるようです。

 しかし、NEXCO中日本だけでなくNEXCO東日本、NEXCO西日本も同じくファスナー合流を推奨し、周知のために「高速道路マナーガイド」や電子掲示板のほか、ラジオ放送でも呼びかけているそうです。また、名古屋高速でも「ジッパー合流」と呼び方は若干違うものの、同じく先端部分での合流を呼び掛けています。前述したようにSNSでもこの件に言及する人も多いということで、数年前よりははるかに全国のドライバーに定着していると思われます。

【了】

【NEXCO中日本の調査結果】“先頭で合流”をただ行うだけでここまで違う(写真)

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