海で救助を待つとき「背浮き」はヤバイ 救助団体が身をもって証明し話題 正しい泳ぎ方は?
海での緊急時は118番へ!
海で「背浮き」によって救助を待つことは困難
夏は水難事故が多発します。もし海でライフジャケットを着けていない状態で救助を待つ際、どのような泳ぎ方をすれば良いのか、海難救助の民間ボランティア団体である日本水難救済会が「背浮き」を検証したSNSの投稿が話題を集めています。
教育現場などでは水難事故防止の一つの手段として「背浮き」の指導が行われていますが、海や川を知る専門家からは疑問の声があがっているといいます。
日本水難救済会と日本ライフセービング協会は2023年6月、海上保安庁の協力により、横浜海上防災基地で海での「背浮き」に関する実証実験を行ったそう。その結果、波風がある海で「大の字背浮き」によって救助を待つことは困難と結論づけています。
海で背浮きが危険な理由として、波や風の影響で顔に海水がかかってしまい、呼吸を確保することが困難となるほか、精神的にパニックを起こす可能性が高いとしています。実験はライフセーバーなど、泳力が優れた4人で行ったものの、波がある水面では誰も背浮きができなかったそうです。
ペットボトルに掴まる場合も浮力が十分ではなく、顔に水がかかって体が安定しないと指摘しています。また、クーラーボックスに長時間掴まることも腕力の限界から困難だといいます。
日本水難救済会は、海で楽に長く浮いていることが可能な泳法として「イカ泳ぎ」を推奨しています。この「イカ泳ぎ」は、手足を使って腹部を上にする形で顔を上げ、手足をあおりながらイカのようにゆっくりと進む泳ぎ方です。
ただ「イカ泳ぎ」にも限界があるため、ライフジャケットの着用が最も有効としています。また、悪天候時は海に出ない、遊泳禁止区域では泳がない、緊急時には118番に連絡することなどを呼びかけています。
※一部修正しました(8月14日10時40分)。
【了】
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