遠すぎない? 大西洋のフリゲートをインド太平洋に派遣 カナダ海軍が“そうせざるを得ない”理由

カナダは日本との軍事的な関係を見た時、アメリカの影に隠れがちですが、海軍はフリゲートなどをインド太平洋地域へ派遣し、連携強化を図っています。その中には大西洋艦隊の軍艦の参加も。遠路遥々なぜでしょうか。

大西洋方面からも艦艇を派遣 その理由とは

 カナダ海軍では、太平洋方面に配備されている「太平洋海上部隊(エスカイモルト海軍基地)」と、大西洋方面に配備されている「大西洋艦隊(ハリファックス海軍基地)」という2つの部隊があります。基本的に、これまでインド太平洋方面に派遣されてきた艦艇はこのうちの太平洋海上部隊に所属するものでしたが、「モントリオール」は大西洋艦隊に所属しているのです。

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駐日カナダ大使館の駐在武官であるロバート・ワット海軍大佐(2023年8月、稲葉義泰撮影)。

 なぜ大西洋方面に配備されている艦艇が、わざわざインド太平洋方面に派遣されたのでしょうか。先述したインド太平洋方面に派遣される艦艇が3隻に増強されることが発表されたのは2022年11月のことですが、追加される1隻は必ずこの大西洋艦隊から派遣されることが明言されていました。

 駐日カナダ大使館の駐在武官であるロバート・ワット海軍大佐によると、太平洋海上部隊だけでは艦艇のローテーションが組めず、一方、部隊規模の拡大には大規模な基地の増強が必要なことから、しばらくは大西洋艦隊から艦艇を派遣することになったとのことです。

 8月28日には、先述した「オタワ」「バンクーバー」さらに「アストリクス」が、展開後最初の訪問先として日本の海上自衛隊横須賀基地に寄港します。さらに、2024年の1月に実施が予定されている陸上自衛隊第1空挺団による「降下訓練始め」には、カナダ特殊作戦軍の参加も検討されているとのことです。今後、日加関係のさらなる深化が見込まれます。

【了】

【おぉ!】呉に来たぞ、カナダ海軍のフリゲート(写真)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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