首都高目黒線「延伸」は実現するか 中途半端なブツ切れ路線 新たな「都心脱出」ルート構想とは
荏原で終わっている首都高2号目黒線ですが、国の道路構想で多摩川方面へ延伸する構想があります。実現に向けてどのくらい進んでいるのでしょうか。
未調査の構想路線
首都高2号目黒線は、C1都心環状線の一ノ橋JCTから南へ分岐し、目黒を経由して戸越で国道1号(第二京浜)へ出る路線です。混雑する都心部を避け、山手線の外側まで信号のないルートを提供する存在ではあるものの、他の路線のように郊外の高速道路へ直結せず中途半端に終わっています。
この2号目黒線、荏原から中原街道に沿ったルートで、川崎方面へ延伸する構想があります。2021年に国交省が策定した「新広域道路交通計画」でも、しっかりと「2号線延伸」と明記されています。
これが実現すればどうなるのでしょうか。まず、外環道が将来的に東名から首都高湾岸線へ延伸した場合、これに接続し「都心~郊外~全国」への新ルートを形成します。さらに、現在は環八通りの玉川ICという中途半端な位置で終わっている第三京浜へ接続することも考えられます。
夢だけが広がる2号目黒線の延伸構想ですが、その実現がいつになるのかは、完全に不透明です。まず先述の「新広域~」では、調査すらされていない「構想路線」の位置づけ。概略ルートの検討に入っている外環道延伸部(東名~湾岸線)とは大違いです。
もちろん、中原街道に沿うルートになるかどうかも未知数で、外環道すら多摩川の都内側か川崎側のどちらに建設されるか未定なため、ざっくり「多摩川方面まで伸びる」とネットワーク構想が示されているだけという状況です。
さらに、何か地元で調査検討が行われているかというと、その気配すらありません。近年の国会、都議会、大田区議会、世田谷区議会でも、議員が要望したり可能性を検討した記録は無く、構想すら存在しないかのような扱いとなっています。東京都に確認を取ったところ、この延伸構想はやはり「今のところ、整備が優先されるべきものではないため、調査検討は行われていません」と話します。首都高も「都の計画の具体化次第です」との返事です。
新たな「都心脱出」ルートとなり得る目黒線延伸構想ですが、本格的な検討が始まるのは、少なくとも外環道が首都高湾岸線まで繋がって以降、ということなのかもしれません。
【了】
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