一般人が絶対乗れない「ジャンボ機」747に潜入 全席超ゆったり客室&ベッドも!? 1階は全て貨物室 NCA
数を減らしつつある「ジャンボジェット」を使用し、世界に航空貨物を届けているNCA。同社の貨物機には、実は客室が設置されています。ここは一般的な旅客機の客室とどのような違いがあるのでしょうか。
客室は「アッパーデッキ」に
「ジャンボジェット」と呼ばれ、かつて多くの航空会社が使用していたボーイング747。現在旅客型の多くが退役し、多くは貨物機として使用されています。そのようななか、国内で唯一747を保有する航空会社がNCA(日本貨物航空)。同機が使用する747-8F貨物機には、実は客室があります。今回、その機内に入ることができました。
NCAの747-8Fは、旅客型で客室1階だった部分は全部貨物室になっています。客室は2階席(アッパーデッキ)部分で、おもにNCAの社員や、航空貨物で競走馬を取り扱う際、その馬の管理を実施する人などが利用します。
客室は6席を配し、横2-2列の構成です。シートは従来型のビジネスクラスのような大型で革張りのもので、リクライニングも通常の旅客機のものより深く、フットレストも設置されています。電源コンセントも座席横の壁側に設置されており、電子機器の充電にも対応しています。各席には、旅客機のように「安全のしおり」が設置されています。
その一方で、旅客機では標準装備となっている手荷物預け棚は設置されていません。また、旅客機と違ってCA(客室乗務員)がいないため、乗利用者は、「安全のしおり」にて、緊急脱出方法などについて必ず確認するとのことです。
客室前方には、「ギャレー」と呼ばれる簡易キッチンが設置されていますが、ここで食事を温める作業も、パイロットが自ら行うとのことです。その一方で、客室後方の区画には、乗員が仮眠を取る「クルーバンク」も設置。2つの簡易ベッドが備わったもので、枕やシーツなども装備されています(長距離便ではパイロットは交代要員を含めて3名以上の編成となり、交代要員がクルーバンクで仮眠をとる場合があります)。
旅客機の場合は、パイロットと乗客は区画が明確に分けられ、両者が接する機会はほとんどありませんが、NCA貨物機の客室は、その特殊さゆえか、両者の距離の近さが感じられるような、特徴的なものとなっていました。
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Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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