“8割死亡か重傷”の衝撃 「電動車いす」事故の恐ろしい実態明らかに 解決策は“付き添い”ではない!

よく通る道の安全を家族で確かめる

 普及している電動車いす、例えばスズキ「セニアカー」の重量は100kg程度あります。電動アシスト自転車は30kg前後ですから、はるかに重く、転倒や転落した電動車いすを復帰させるのは、一人ではほぼ不可能です。そのため操縦には、充分な練習が必要です。

 事故の重大さを考えると、外出には介護者が必要ではないかと思うかもしれませんが、電動車いすはそもそも、介護者に頼まないと外出できない不自由さを解消するために使っている利用者がたくさんいます。niteの担当者は、介護者が付き添うことより先に、予防対策があると話します。

「必ず付き添うということは難しいので、介護者、家族へのお願いがあります。よく使う道路は決まってくるので、いっしょに回って操作の方法、う回路の検討などをお願いします。高齢者任せでなく、みなさんで考えてもらうと、事故を防ぐことができます」

 危険な場所を別の視点で確認して、安全な経路を選択することは通学路などの安全確保でも行われています。また、踏切事故では国土交通省鉄道局が、踏切からの逸脱防止用のガイドを付けることを鉄道事業者に求めるなど、徐々に対策も進んでいます。

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niteの調査で対象としている電動車いす(画像:nite)。

 niteは、「ご通行中の方へのお願い」として、電動車いすの利用者の周囲にいる人にも呼び掛けます。

「電動車いすで踏切を渡ろうとする人を見かけたら、できるだけ渡り切るまで見守っていただければと思います。車いすの方が歩行者や自転車をよけようとしてハンドル操作をしてしまうと、誤って線路の溝にはまったり、脱輪してしまう恐れがあります。できるだけ道を譲っていただくなど協力をお願いできればと思います」

 行動範囲を広げるために選んだせっかくの電動車いす。利用者の前準備と社会でサポートがあれば、誰にとっても過ごしやすい移動社会が実現できるのかもしれません。

【了】

【これは危ない!!】電動車いすで死亡が多い“ヤバイ場所”(写真)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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