新幹線「函館駅乗り入れ」フル規格が有力か 東京から「3両編成」で直通? 示された案とは

10両編成のうち3両が函館行き、7両が札幌行きに?

 同社によると、札幌駅から函館駅に新幹線を直通させる場合、新函館北斗駅では11番線ホームに到着。そのまま東京方にある保守基地線(電化が必要)を経由し、新設した渡り線を通って在来線に乗り入れます。

 東京方面から函館駅に直通する場合は、10両編成のうち3両が函館行き、7両が札幌行きとなる分割・併合編成を想定。新函館北斗駅では12番線か13番線ホームに入り、まずは編成前方の札幌行きが発車し、その後に函館行きが逆方向にスイッチバックして在来線へ直通することを想定しています。上り列車の場合、新函館北斗駅では函館発の3両編成が先に11番線へ入線し、札幌発の7両編成と連結して東京方面に向かうとしています。
 
 フル規格車両を函館駅まで直通させる場合、新函館北斗~函館間の線路は、軌間が異なる新幹線と在来線車両の双方が走れる「三線軌条」に改修する必要があります。五稜郭~七飯間は、「2面2線の相対式ホーム」構造で片側ホームのみの使用で統一されるため、新幹線車両の乗り入れには適しているようです。
 
 新幹線は車体幅が「はこだてライナー」車両よりも約40cm広いものの、三線軌条でホーム側のレールを共有する場合、ホーム側の車両限界には大きな差異が発生しない見通しです。ただ、反対側が約40cm弱張り出す形になるため、軌道の離隔を確保する必要があるとしています。函館駅では、ホームに新幹線車両は支障しない想定ですが、今後線路状況の調査・精査を実施する予定です。

 課題としては、三線軌条化によって線路のバラスト幅の確保が必要になることや、架け替えが生じる橋りょうがあることが想定され、工期面で困難性が高いとしています。また函館駅では、ホームの使用番線の選定や線路有効長の確保、工事中に線路切替が多く発生することが課題になると指摘しています。加えて在来線区間を貨物列車が走るため、列車間合い(主に夜間)に行う軌道改良工事の困難性も高いとしています。
 
 市は今回の企画提案を踏まえ、年度内に調査結果を公表する予定。課題はあるものの、函館駅への新幹線乗り入れは最初の大きな一歩を踏み出した形です。

【了】

【画像】えっ…!これが「新幹線函館駅乗り入れ」のイメージ図です

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コメント

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1件のコメント

  1. 函館に新幹線の乗り入れに関して意見を言わせてもらいます。当初、ミニ新幹線での乗り入れを検討していたみたいですが、ミニ新幹線を採用した場合は、函館乗り入れ専用のミニ新幹線の車両を作る必要があります。しかも、2030年以降開業後については、年数が経ち、やがては新型車両を製造するコストなどを考慮すれば、はじめからフル規格の方が、開業時にコストは当初掛かっても、今後を考えれば良いのではないかと考える。さらに個人的な意見を言わせてもらえば、現在の計画にプラスして、上磯付近先からアプローチ線を作り、さらに新函館北斗から函館新幹線基地経由以後をフル規格にすることにより、東京・札幌からいつでもフル規格の新幹線が函館駅まで直通できることにした方がもし本気で函館駅に新幹線を開通させたいのであれば将来的に、その時かなりのコストは掛かってもミニ新幹線のその都度の車両開発コストを考えればベストであると考える。さらに時間短縮にもつながると思う。ちなみに新函館北斗~函館間をフル規格にした場合は、五稜郭駅の停車は必要ないと考える。できれば複線開業の方が良いが、列車本数を考えれば、単線でも良い(可能では)のではないかと考える。私も函館には度々行っているので、是非、今後の函館の発展を期待したいとの思いで投稿させていただきました。2030年の札幌延伸開業と同時の開業を是非期待しています。