次期戦闘機、搭載ミサイルは「日本独自で作ります」なぜ? 何でも国際開発がいいわけじゃない!

JNAAMの実用版ではない!?

 航空自衛隊はF-35A/Bを将来的に147機にまで増備する予定で、数の上でも航空自衛隊の主力戦闘機となる見込みです。JNAAMは、このF-35の戦闘力を大きく向上させるものと考えられていました。

 このため筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はJNAAMを実用化するものが、今回の次期中距離空対空誘導弾だと思っていました。しかし防衛省関係者に問い合わせてみたところ、実はまったくの別物だそうです。

 次期中距離空対空誘導弾は、現在F-15J/DJ戦闘機とF-2戦闘機に搭載されている中射程空対空ミサイル「99式空対空誘導弾」(AAM-4)と、その改良型「99式空対空誘導弾(B)」(AAM-4(B))を後継するものであるとの回答を得ました。

 ではなぜ、日本はJNAAMの実用化ではなく、次期中距離空対空誘導弾の独自開発に舵を切ったのか。その最大の理由は、いま独自開発に乗り出さないと、日本が空対空ミサイルの開発能力や生産基盤を喪失してしまう可能性によるものだと考えられます。

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右がJNAAMのベースとなった「ミーティア」の実大モックアップ(竹内 修撮影)。

 将来的に数の上で航空自衛隊の主力戦闘機となるF-35もまた、国際共同開発機です。このため前に述べた「アムラーム」や航空自衛隊も導入するノルウェー製の対艦ミサイル「JSM」(Joint-Strike-Missile)など、F-35には共同開発に参加した国々で開発・製造された兵装だけが搭載可能となっています。

 日本はF-35の共同開発プロジェクトに参加しておらず、このため航空自衛隊のF-35Aも99式空対空誘導弾などの国産兵装を搭載することはできないのです。

【え…】これが日本独自開発の新型「空対空ミサイル」です(画像)

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