じわじわ普及「赤バイ」誕生のきっかけは社長の閃き “バイク+消火器、いいじゃん!” でも60年かかったワケ

いまや全国各地の消防機関に配備が進んでいる「赤バイ」。その端緒となったのは60年前に鳥取市で生まれたアイデアでした。高度成長期、阪神淡路大震災などを経て普及に至った経緯を振り返ります。

募金活動から全国に普及した赤バイ

 のちに2台体制となった鳥取市の赤バイは1962(昭和37)年6月からの1年間、93件の火災のうち50件に出動し、うち8件を完全に消し止めるなど期待通りの働きを見せました。そして、この赤バイは意外な形で全国に広がります。

 鳥取市の赤バイ導入に賛同した企業のひとつ、日本火災探知器(現ニッタン)が「街に赤バイを走らせよう」と題して社員の募金活動を始め、各地の消防署や消防団に次々と赤バイを寄贈したのです。交通渋滞に悩む都市部、消防力が不足気味の地方、それぞれで赤バイは評判となり、1967(昭和42)年には全国32市町で72台が運用されるまでになりました。

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東京都新宿区にある消防博物館で保存展示されているホンダ「ドリーム」350㏄仕様の赤バイ(リタイ屋の梅撮影)。

 なかでも積極的に導入したのが1966(昭和41)年に専門部隊「敏動隊(びんどうたい)」を発足させた大阪市消防局です。消火器と無線機を搭載した赤バイ25台を全署に配備し、隊員には銀色のジャンパーや青いマフラーなどの制服を用意する力のいれようでした。

 こうした普及を見て、ようやく東京消防庁でも赤バイの導入が始まります。まず1969(昭和44)年に連絡用バイクの改造からスタートし、1971(昭和46)年に牛込・小岩・日本橋の各消防署へ、消火器2本と携帯無線機を積んだホンダ「ドリーム」350cc仕様の新車3台を配備しました。また横浜市消防局でも1969(昭和44)年以降、赤バイ30台を運用した記録が残されています。

【え、スクーター仕様!?】消防博物館の保存赤バイ&激レア3輪モデルも(写真)

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