ロシアが「世界最速の戦闘機」でアメリカを牽制? ただ肝心のミサイルは「お粗末」か
極超音速ミサイルでアメリカを牽制?
極超音速ミサイルを搭載したMiG-31が黒海を哨戒
イギリス国防省は2023年10月21日(土)、ロシアのプーチン大統領がMiG-31戦闘機に極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載し、黒海東部の哨戒を開始すると発表した件についての分析を明らかにしました。
プーチン大統領は、10月18日(水)にMiG-31戦闘機で黒海東部の哨戒を行うことを発表しています。イギリス国防省は、アメリカが地中海東部に空母を派遣するなどしてプレゼンスを強化しており、「キンジャール」によって艦艇を危険に晒そうとしていると指摘。アメリカを牽制する狙いがあるとみられます。
「キンジャール」は、短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」の空中発射版です。母機となるMiG-31は、1964(昭和39)年3月に初飛行したMiG-25の改良型で、最大速度は実用戦闘機としては世界最速の時速約3000km(マッハ2.8)を誇ります。Kh-47M2「キンジャール」をMiG-31に搭載した場合、射程は2000kmとされています。
イギリス国防省は、ロシアがウクライナ紛争が続いているにも関わらず、新たに開発された兵器を製造・運用できることを示そうとしていると分析しています。
ただ、この「キンジャール」は運用試験段階にあり、ウクライナでの運用実績が芳しくないそう。理論上は高い能力があり、極超音速で飛行して現代の防空システムを回避することができるとされていますが、これを達成するためには大幅な改善が必要としています。
【了】
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