自衛隊「大砲ドーン!」はごく一部? 見えない目標に砲弾の雨を―知られざる“裏方”たちの奔走

大砲を撃つ自衛隊員は、実は自衛隊のなかでも“花形”のひとつ。それを運用する部隊は、大砲を効果的に着弾させるために奔走する多数の裏方が存在します。撃てばいいというわけでは決してない、知られざる役割を取材しました。

大砲撃っている隊員はほんの一部

 しかし、現場でやること自体は、従来と何も変わっていないと言います。それもそのはず、戦場における野戦特科部隊は、前進する味方部隊を掩護(えんご)するため、敵の陣地に砲弾を撃ち込み、防御戦闘をする味方部隊を掩護する時には、侵攻してくる敵部隊に砲弾の雨を浴びせる、これが主任務だからです。

 ただ、文字にすると簡単なようですが、その射撃は一筋縄ではいきません。なぜなら、大砲を単に射撃するだけではなく、敵(目標)に対して効果的に弾雨を降らせないといけないからです。野戦特科部隊が装備する火砲は、小銃や機関銃などのように、直接目標を視認して照準・射撃するわけではありません。射程は数kmから数十kmにもおよぶため、直接目標が見えない状態で正確に射撃をする必要があります。

 これは「間接照準」と呼ばれる射撃方法です。これならば、山の反対側など見えない場所に目標があっても正確に射撃することが可能ですが、それを実現するには、火砲を直接扱う「砲班」、部隊の目となる「前進観測班」、砲弾の弾道計算に必要な気象情報を提供する「気象班」、いつ・どこに・どれだけの砲弾を降らせるのかをコントロールする「射撃指揮班」、そして、これらの部隊を繋げる「通信班」が、有機的に能力を発揮する必要があります。

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宮城県にある王城寺原演習場の一角に布陣した東北方面特科連隊の戦砲隊。並んでいるのは155mmりゅう弾砲FH70(武若雅哉撮影)。

 では、これら部隊の動きを順番に見ていきましょう。まずは花形ともいえる砲班です。砲班には、1門の155mmりゅう弾砲FH70とリーダーである砲班長、そして5名から8名程度の班員が配属されます。これを1つの単位として、複数の砲班と、射撃に必要な弾薬班が集まった状態を戦砲隊と呼びます。

 この戦砲隊が正面に立ち、実際に射撃を行う部隊の単位といえます。

【え、風船上げるの?】これが155mmりゅう弾砲FH70を射撃するための動きです(写真)

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