「機械の速度で戦わなければ、機械の速度で叩き潰される」米海軍&海兵隊が急速に“無人化” 進めるワケ 危機感ジワリ
「機械の速度で戦え」それが意味することとは
NMESISとLRFL、この両者が無人化された目的は軽量化にあります。先に述べたとおり太平洋を広く横断する作戦のため、航空機による空輸性能が求められたからです。両者ともC-130中型輸送機はもちろん、最大ペイロード15.7tのCH-53K大型輸送ヘリに吊り下げることが可能です。
海兵隊は、海路を制することができる島嶼へ、迅速にこれら対艦ミサイル車両を展開させることで、敵艦隊の動きを牽制し、味方海軍の作戦を支援しようと考えています。「海兵隊は機械の速度で戦わなければならない。さもなくば機械の速度で叩き潰されるだろう」――海兵隊の公式文書にはこう記されています。
中国という対等な軍事力を持った相手との戦いにおいて、攻撃と兵站、その両面において機械=無人化技術が、勝敗を左右する重要な要素であると海兵隊は考えているのです。今後も、海兵隊からはさまざまな無人化装備が登場してくることでしょう。
そのなかで、それだけのものが使い物になると判断され、採用・配備に至るのか。その後、現場部隊ではどのように無人化装備を活用するのか、興味は尽きません。
【了】
Writer: 綾部剛之(編集者/記者)
軍事関連をメインとした雑誌/書籍の編集者。専門は銃器や地上兵器。
コメント