外国人バス運転手の採用「先陣を切りたい」東急バス社長 危機的ドライバー不足の打開策 なぜ今議論?

ドライバー不足が深刻化しているバス業界。その打開策の一つが、外国人ドライバーの採用です。ベトナムで“東急式”のバスを広めた東急バスの社長が、外国人採用に意欲を示しました。

「ベトナムの東急バス」初代社長の言葉

 東急グループが2023年11月20日に記者懇親会を開催。そのなかで、東急バスの古川 卓社長が外国人バス運転士の採用について「先陣を切りたい」と意欲を示しました。

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東急バス(乗りものニュース編集部撮影)。

 運転士の人手不足が深刻化し、全国で減便や路線廃止が相次ぎ危機的状況に陥っているバス業界。その打開策のひとつと目されているのが、外国人ドライバーの採用です。しかし、現状の制度では思うような採用が不可能であることから「まずは国に制度を早急に変えていただく必要がある」と古川社長は話します。

 というのも、国内人材の確保が困難な産業分野で一定の専門性・技能をもつ外国人の受け入れを目的とした「特定技能」制度で、自動車関連は「自動車整備」が対象となっているものの「運転」の業務は含まれていません。現状では、大型二種免許が外国人に開放されておらず、日本人の家族がいて在留資格を持つ人などに限られるといい、まずはここを変える必要があるそうです。これはバスに限らずタクシーなども同じです。

 従来は日本人ドライバーで賄えていたために、今になって制度の見直しが訴えられている側面があるようです。バス業界は長いコロナ禍中に乗務員の他業種への転職が進み、東急バスでもコロナ前と比べ乗務員が大幅に減っているのだとか。いかに喫緊の課題であるかがうかがえます。

 東急バスでは海外事業の一環として、2014年からベトナムで「ベカメックス東急バス」が路線バス事業を運営しています。古川社長はその初代社長として、成長を見てきた経験を持っています。

「ベトナムは近年、車両こそよくなったものの、乗務員(の質)はまだまだ」と話す古川社長。ベカメックス東急バスでは未経験者を採用し、日本式のバス事業を現地で広げたことで、今やその方法をベトナム政府側がスタンダードとして取り入れている部分もあるといいます。

「いろいろな国で交通機関を利用しますが、日本はダントツでレベルが高いです。運行中の安全確認や接客のあり方など、日本でサービスレベルを学べば、帰国後、自国で絶対に役立ちます」(古川社長)

 現時点でも東急バスは技能実習の外国人を2名雇用。国に対し「(外国人でも)大丈夫だ」ということを見せたいと意気込みました。

【了】

【え…ノッテちゃんいるの!?】これが「ベトナムの東急バス」です(写真)

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