"反対派市長"の街へ知事突撃!「富士山登山鉄道」拍手&激論の地元説明会 はたして市長の"採点"は?

富士吉田市長「反対という気持ち強くなった」その理由は?

 こうして約1時間の質疑応答も終了。質疑応答のほかに、知事の「富士山の恵みを大切にしたい思いは同じ」という発言に共感し「これからも議論を重ねてください」という声も複数見られました。共感意見、反対意見、それぞれに拍手が散発的に起こっていました。

 もちろん「いま各地の戦争で人々が苦しんでいるのに、なぜ登山鉄道の話をするんですか」「あなたは裸の王様だ。ジャニーズ事件と同じです。プラカード持って押しかけてやりますよ」とヒートアップする人もいましたが、おおむね穏当に終わったという印象でした。

 全体的に、やはり「なるほどわかった。富士山登山鉄道があってもいいのかもしれない」という空気にはまだ遠いように思われます。特にこれからの論点として、やはり「LRTか電気バスか」という話は長く付いて回りそうです。お互いのメリット・デメリットを比較する際も、その根拠となるデータ自体が技術変革や多様性で依然あやふやになってしまうところに、クリアな議論をしにくい難しさがあります。

 もちろん、今回の「富士山鉄道構想」について、国土交通省の関与の希薄さが「知事の孤軍奮闘」というイメージを払しょくできない要因になっているかもしれません。知事は今後地元住民と議論を重ねていくことが「集合知」による最適解を見つけるために重要と繰り返していました。「世界の富士山をどうしていくか」というプロジェクトについては、霞が関の「集合知」がカギのひとつとなりそうですが、今後の動きに注目です。

 さて、富士吉田市の反対の急先鋒である堀内市長はこの説明会をどう感じたのでしょうか。会場では客席で「聞き役」に徹していた市長ですが、閉会後の会見では「反対という気持ちが強くなった」とバッサリ。

 その理由については、「災害に対する保安の話がしっかりされていない。土石流に対する保安設備をしっかりしたうえで通すべきだ。説明に使われた比較データも古いものがあった。技術革新が進み、選択肢は増えているはず。事業規模1400億円の根拠に甘さがあり、一抹の不安がある」と挙げています。

 この発言には、知事の説明を巻き戻すような「富士山に工事はいらない」といった感情論は廃され、「改善の余地」に焦点を当てたようなニュアンスであるのが印象的。市長の知事に対する「戦友」のような心境が見え隠れします。

 堀内市長は囲み取材が終わったあと、取材陣に念を押すように「報道陣の方々に申し上げたいのですが、今回知事がここへ来て説明をしていただいたことは嬉しく、感謝しています。これからも議論を重ねていければと思います」と語っていました。

【了】

【画像】えっ…!これが「富士山登山鉄道」のルートと完成イメージです

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コメント

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1件のコメント

  1. 誤 スバルラインを起動にするとはいえ
    正 スバルラインを軌道にするとはいえ
    訂正お願いいたします。