石油王の国で次に生まれるのは「武器王」? 兵器の“国産化”進める産油国 「ポスト石油」に日本はどう関与?
軍用機も車両も国産つくってるよ!
日本ではあまり知られていないと思いますが、UAEはUAS以外にも国産兵器の開発に取り組んでおり、2019年に首都アブダビで開催された防衛装備展示会「IDEX2019」で、練習/軽攻撃機の「B-250」を発表しています。
B-250は100%カーボンファイバー製のターボプロップ機で、左右両主翼下に3か所、胴体下に1か所のハード・ポイントが設けられており、対戦車ミサイルやレーザー誘導爆弾、レーザー誘導ロケット弾ポッドなどが搭載できます。また、胴体下にはセンサーターレットも搭載されており、偵察任務に使用することもできます。
B-250のデザインやレイアウトは、ブラジルのエンブラエルが開発してベストセラー練習/軽攻撃機となったEMB-314「スーパーツカノ」によく似ています。もっとも、機体のサイズは「本家」EMB-314よりやや大きいです。
筆者はIDEX2019の会場で、開発を担当したカリダス社(当時)にB-250とEMB-314が似ていると感じたと告げたところ、同社の担当者は「B-250はエンブラエルを退職したエンジニアを招聘して開発された」航空機であることを明らかにしました。
このようにUAEは、欧米などの実績のあるメーカーから、エンジニアの招聘や基本設計の委託、ライセンス生産権の取得といった手法を駆使して、国産兵器を開発しています。
ロシアの車両メーカーであるGAZの子会社が基本設計を担当した装輪装甲車「ニマー」シリーズは、地元のUAE軍はもちろんのこと、サウジアラビア軍やヨルダン軍などの中東諸国の軍隊、さらにはアフリカのスーダン軍やヨーロッパのセルビア軍などにも採用されています。
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