段差解消ステップ設置は「違法」です そうはいわれても… 合法的に解決する方法とは

でも実際に段差が… どうすればよい?

 とはいえ、道路と車庫のあいだに段差があるせいで生活に支障をきたしている場合はどうすればよいのでしょうか。ある道路管理者は以下のように話します。

「まず、その段差が家の敷地のものである場合、敷地側で切り下げるなどしてください。家から歩道を経て車道に下りる形の場合は、縁石と歩道をそこだけ自費で切り下げ、段差を無くすという方法があります」

 これは道路法第24条に基づく工事(24条工事)であり、道路管理者の持ち物である道路構造物を、道路管理者以外が手を加える行為です。勝手に工事はできず、あらかじめ道路管理者(県道なら県の土木事務所、市道なら市役所など)に、24条工事の承認申請を行う必要があります。

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段差解消には、24条工事の申請という方法がある(画像:写真AC)。

 ちなみに、ステップを置くなどし前出の道路法に違反した場合、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられる可能性があります。また、その行為によって実際に事故が発生した場合は、ステップを置いた本人はその責任を問われることとなるでしょう。

 実際、1999(平成11)年に大阪府堺市で発生した死亡事故は、原付バイクの大学生が段差解消用のステップに乗り上げて転倒し、他車にはねられたことが原因でした。一件では、ステップ設置者が有罪判決を受け、書類送検されています。

【了】

【じゃあどうすれば?】段差解消の「正しい方法」(図解)

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コメント

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1件のコメント

  1. 歩道の切下げ工事をすれば「適法」なのは当然として、「安全」であるとするには重大な疑義がある。
    歩道通行中の車椅子が切下げに車輪を取られ斜面を滑り下りて車道に飛び出すトラブルが起きている事実を貴社はどうお考えであろうか?
    当然そこに車が差し掛かれば事故は免れず、また記事中の原付運転者と比較しても過失責任は車椅子の方が圧倒的に少ない事は言うまでもなかろう。
    むしろ切下げ工事の方が危険であるとさえ言っていい。
    国交省路上設置物調査事業委託従事者経由の情報になるが、件の路上設置ステップについて、「常時設置はせず必要な時のみ設置する」という使用者が極少数であるが存在している。
    非常に効率の悪い使用法になり、また撤去のため路上停車することが困難な状況もあるのかも知れないが、しかしこの方法なら少なくとも路肩を走行する原付も、歩道を利用する車椅子もより安全であろう。
    交通安全を飯の種とする報道機関であるのなら、安全の意味について今一度熟考する事をお願いしたい。
    切下げに車輪を取られた車椅子が車に轢かれた後では遅いのだから。