「空気レスタイヤ」は空気入りタイヤを超える? メディア初試乗で“走り”を体感 実用化近し!

いよいよ空気レスタイヤを試す!

 次にエアフリーコンセプトを履いたジャイアンに乗り換えます。走り出しは空気タイヤよりも若干ゴツゴツとした硬さが伝わってきます。ただ、これも20km/hを超えるぐらいからなくなり、空気入りタイヤとの差はほとんど感じなくなりました。

 特に突起を乗り越えた時に伝わる衝撃の感触は、空気タイヤとそれほど変わらない印象。さらに連続するS字カーブでの路面との接地感も悪くない印象でした。

 試乗を終えて感じたのは、空気と特殊形状スポークの差が思った以上に近づけられていたことです。低速域でこそ硬さは感じたものの、速度域が上がれば突起物を乗り越えても不快な印象はなく、それほど剛性が高くない「ジャイアン」でも十分な“いなし”を発揮していたのです。むしろハンドリングのシャープさでは、空気入りのタイヤよりも上回っているのではないかと感じたほどでした。

空気レスタイヤはどうリサイクル?

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使用済みのスポーク部分は粉砕してチップ化して再利用できるようにしている(会田 肇撮影)。

 これまでタイヤのリサイクルは、熱(燃料)と他製品へのマテリアルリサイクルが中心でした。しかし、そこではCO2排出量の削減とタイヤへの資源循環が課題となって立ちはだかっていたのは事実です。このエアフリーコンセプトは、そういった課題を解決する一つの答えなのです。

 ブリヂストンとしては、まず普及が予想される身近な超小型モビリティからこの需要を高め、そこから100%リサイクルが可能な循環型社会の実現を目指していく考え。そんなブリヂストンが進める今後の展開に大いに注目していきたいと思います。

【了】

【あータイヤ変形してる!!】「空気レスタイヤ」試乗の様子(写真で見る)

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Writer: 会田 肇(乗り物ライター)

茨城県出身。自動車雑誌編集者を経て、フリーランスへ転身。音楽を聴きながらドライブするのが大好きで、それがカーナビやカーオディオ評論を行うきっかけとなった。近年は自動運転に絡むITSの取材活動も力を注ぐ。日本自動車ジャーナリスト協会会員。デジタルカメラグランプリ審査員。

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