米軍が「戦闘車両のハイブリッド化」に本腰 “驚異的な燃料代”削減だけじゃない目論見…EVは?
自衛隊はハイブリッドを導入しないの?
ここまでアメリカ軍の話をしてきましたが、最後に自衛隊のハイブリッド化の動向について見てみましょう。
実は、防衛装備庁では以前からハイブリッド動力の研究を進めており、すでに専用の装軌式試験車両による実験も行われています。2011年から2016年にかけて行われた研究では、「加速性能の大幅な向上」「燃費性能の44%向上」という成果が得られたとしています。
さらに現在、「モジュール型小型高出力ハイブリッドシステム」の研究・開発が行われています。これは、「モジュール型」の言葉が示すとおり、既存車両の動力システムを置き換え、ハイブリッド化することを目的としています。
自衛隊でも高出力レーザーが実用化に向けて研究されるなどしているため、最前線における電力需要の高まりはアメリカ軍と変わらないものになるのは間違いないでしょう。戦車や装甲車の轟音に聞きなれている私たちですが、将来の戦闘空間は思いのほか静かなものになるかもしれません。
【了】
Writer: 綾部剛之(編集者/記者)
軍事関連をメインとした雑誌/書籍の編集者。専門は銃器や地上兵器。
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