「防空車両の新世代」開発スタート!? 独ラインメタルが"最恐の装甲車"を魔改造へ
万能防空砲塔を搭載へ。
「リンクス」には初搭載の防空システム
ドイツの軍需企業であるラインメタルは2023年12月20日、「スカイレンジャー30」防空システムを搭載したKF41「リンクス」歩兵戦闘車をハンガリー向けに生産すると発表しました。
ラインメタルはこの開発計画を約3000万ユーロで契約します。「リンクス」の追加武装となる「スカイレンジャー30」は、30mm機関砲、地対空ミサイル及びそれに付随するセンサー類を砲塔に統合した砲塔になっています。
機関砲での防空に関しては、超音速ジェット機登場後は、その効果が疑問視されていましたが、ロシアによるウクライナ侵攻での戦闘で、巡航ミサイルや自爆ドローンなどへの有効性が証明されその性能が見直されています。さらに「スカイレンジャー30」は機関砲に加え対空ミサイルも搭載することができ、さらに防空性能を高めています。
ドイツでは既に「ボクサー」装輪装甲車に同システムの搭載を検討しており、デンマークは将来的に「モワグ ピラニア V」装輪装甲車に同システムを搭載するために、15基を購入すると2023年5月に発表しています。
2023年12月現在、「リンクス」を配備している国はハンガリーのみで、「スカイレンジャー30」を搭載するタイプを開発するのも今回が初になります。ラインメタルのアーミン・パッペルガー取締役会会長は「この開発契約において、私たちは防空技術の世界に再び標準を設定することになります」と今回の契約に際してコメントしました。
なおラインメタルは、ハンガリーの国営持株会社であるN7と協力し、次世代戦車の共同開発の契約も2023年12月15日に結んだばかりで、同国との協力関係を強めています。
【了】
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