「正月に備えよ!」もはや任務!? 海上自衛官が洋上で迎える年末年始が本気すぎる!「まず竹を切れ!」
もうすぐ年の瀬。年末年始は官公庁含め休みになるところが多いですが、国防を担う自衛隊は休んでなんていられません。任務に就く部隊、隊員はクリスマスや大晦日などのイベント時はどう過ごしているのでしょうか。
リースや門松なども手作りで用意
2023年もまもなく終わろうかという今日このごろ、今年は海上自衛隊でも順調に新型艦艇が進水し、徐々にイベントの活気も戻った年となりました。
海上自衛隊横須賀地方総監部では、過去に基地内でカウントダウンイベントが開催されたこともあり、一般人も岸壁で除夜の鐘ならぬ除夜の汽笛を聞けたのですが、現在では基地に隣接したヴェルニー公園でカウントダウンイベントが企画されているため、そちらで日米艦船の電燈艦飾が見られたり、はたまたキッチンカーで美味しいご飯が食べられたりと、賑やかに過ごすことができるようになっています。
そこで気になるのが、自衛隊員の年末年始の過ごしかたです。自衛隊は365日年中無休。ゆえに、年末年始も任務や当直などで職場にいる隊員はどう過ごしているのでしょうか。
海上自衛隊は、艦艇や潜水艦などの場合、洋上が職場になることもあり、時間や曜日の感覚を大切にしています。曜日感覚を忘れないために金曜日の昼食にカレーが振舞われるのは有名ですが、歳時記についても同様で、各種イベントでは乗員(主に器用な応急員など)が飾りを手作りするなどして季節の移り変わりを楽しんでいるのだそう。
年末年始はもちろん、クリスマスでもリースやツリーを作ったり、門松をせっせと組み上げたりする隊員の姿が見られるのだとか。意外なことに、門松は部隊によって手作りするところが多く、たとえば山口県岩国航空基地に所在する第71航空隊では、竹を切って藁を編むところからスタートして巨大な門松を作る様子が海上自衛隊の公式X(旧Twitter)で公開されていました。各部隊、全力でお正月を迎えようという気合が伝わってきます。
お正月に任務や当直というと、ちょっと損したような気持ちになりそうですが、艦内では華やかなおせち料理やお雑煮も振舞われます。そうした様子を公式Xなどで見ると、給養員が趣向をこらしたおせちを作り、手の空いている隊員が協力して各種飾りつけを行う様子が脳裏に浮かびます。
家族と離れて任務に就く隊員に対しても、総力を挙げてあたたかな気遣いを行っていることに、海上自衛官の妻であるワタシ(たいらさおり:漫画家/デザイナー)は思わず嬉しくなってしまいました。
【了】
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。
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