道路がボコッ「街路樹育ちすぎ問題」各地で悪影響 倒木で死亡事故も 岐路に立つ街の象徴

街路樹が育ちすぎて様々な方面へ悪影響を与えるケースが各地で起こっています。“道路施設”としての側面に留まらず、街並みの象徴ともなっていることから、維持してほしいという声も大きいもの。抜本的な解決には長い年月がかかりそうです。

植え替えはものすごく時間がかかる!?

 冒頭の国道20号のケヤキ並木は、大径化により目標とする樹形を維持できず、結果的に健全度が低下し、維持管理費も増大するという課題を抱えています。

 地域からは「困っている」という声もあるものの、「歴史的に大切な場所」「維持してほしい」という声も多数。このため東京国道事務所は国道20号の事例を、管内に約1万5000本ある街路樹対策・合意形成のモデルケースにすべく、広く意見を募集している段階です。

 伐採ではなく「植え替え」による維持を選択し、実行に移しているところもあります。

 宮崎市では、宮崎国道事務所が“南国”の象徴である街路樹のヤシの木を植え替える作業を2017年から行っています。樹高が高くなりすぎて剪定などの維持管理も困難になったためですが、こちらは約60年をかけて進める息の長い事業となっています。

 長い年月を経た街路樹が「文化財」になっているケースの一つが、栃木県の日光に通じる国道119号などの杉並木です。約400年前、日光東照宮造営の頃に植樹されたもので、日光杉並木街道は日本で唯一、国の特別史跡・特別天然記念物の二重指定を受けています。

 しかし、生育環境の悪化によって杉の数が減り続けていることから、栃木県はこの保護を目的の一つとして並行するバイパスを整備するなどし、2022年から日光杉並木街道の一部区間は車両通行止めになりました。

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伐採された明治学院大学前の大イチョウ(読者提供)。

 歩行者や車両の通行に支障をきたし、近隣住民の生活にも悪影響を及ぼすこともある「育ちすぎ」の街路樹ですが、ある意味、年月を経て大きくなればなるほど、シンボル性や歴史性を帯びていくともいえます。今の選択が、今後の数百年を左右することもあるかもしれません。

【了】

【これは深刻…】「育ちすぎ街路樹」による被害例(写真)

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