ディズニー映画に登場の爆弾つくってみた 実際は…? 「ディズニーボム」叩きのめす相手はUボート
第二次世界大戦末期、ドイツ軍のUボートに悩まされていたイギリスは、その基地を破壊する方法を模索していました。ある時ディズニー映画を見たイギリス海軍将校は、作中に登場する爆弾に着想を得、「ディズニーボム」開発へ乗り出します。
Uボート基地はブンカーで防護されている
ウォルト・ディズニーといえば、ファンタジーあふれるコンテンツを数多く生み出してきたエンターテインメント企業ですが、かつてその名前を取った「ディズニーボム」という爆弾がありました。エンターテインメントに登場する架空の爆弾ではなく、第二次大戦で実際に使用されたのです。
第二次大戦中、イギリス海軍はドイツ海軍の潜水艦「Uボート」に悩まされていました。Uボート基地の重要な施設は強固な鉄筋コンクリート製ブンカー(壕)で防護されており、これを何とか破壊しようと様々な方法を模索していました。
そのようななかの1943(昭和18)年、ウォルト・ディズニーが制作したプロパガンダ映画『空軍力の勝利』を見たイギリス海軍将校が、作中に登場するブンカーの、コンクリート製天井を突き破る架空の爆弾を見て具現化を目論みます。しかしイギリス空軍は消極的でした。紆余曲折を経てアメリカ軍と共同開発したものの、イギリス海軍の航空機には搭載できず、実際に使ったのはアメリカ陸軍航空隊という複雑怪奇な経緯を持っています。
この爆弾の正式名称は「4500ポンド コンクリート貫通/ロケットアシスト爆弾」です。ただしロケット弾のように飛翔していくのではなく、着弾時の衝撃をロケットブースターの加速で増強しようというものでした。ディズニー映画から着想したことから「ディズニーボム」とも呼ばれました。
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