自衛隊のホバークラフト後継どうなる? 能登の被災地で大活躍も… 世界の状況と“選択肢”

令和6年能登半島地震の被災地に対し、海上自衛隊はエアクッション型揚陸艇(LCAC)を投入して援助を行っています。日本ではLCACの運用開始から四半世紀が経過していますが、後継艇は登場するのでしょうか。

日本のLCAC後継はどうなる?

 SSCは、2020年に最初の1隻がアメリカ海軍に引き渡されて以降、現在までに9隻が納入され、初期作戦能力(IOC)の獲得に向けて各種運用試験などが行われています。現在の計画では、アメリカ海軍での導入数は73隻が予定されており、既存のLCACを順次置き換えていく方針です。

 一方、海上自衛隊でのLCACの運用開始は1998(平成10)年であり、間もなく26年が経過しようとしています。これまでにも艦齢延伸のための改修などが行われていますが、そろそろ後継について検討する段階が近づいてきています。

 アメリカ軍との相互運用性や、これまでの運用に関する経験などを活かそうとするのであれば、海上自衛隊においてもSSCを導入する可能性は高いと筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は思います。ただし、そのほかの選択肢が全くないというわけでもありません。

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アメリカ海軍で導入が進む後継装備「艦艇沿岸間コネクター(SSC)」(画像:テキストロンシステムズ)。

 たとえば、2023年にイギリスのホバークラフトメーカーであるグリフォン・ホバーワーク(Griffon Hoverwork)が発表した「ワイヴァーン(Wyvern)」です。ワイヴァーンは、積載量約50トン、速力は50ノット(時速92km)とされています。ただし、グリフォン・ホバーワークでは顧客のニーズに合わせてサイズや性能をカスタマイズすることも可能としており、もし日本が導入を検討する場合には、日本独自のモデルが提案されることが考えられます。

 ちなみに、グリフォン・ホバーワークは大分市と大分空港のあいだで15年ぶりに復活するアクセス航路のホバークラフトを納入したメーカーであり、日本との足がかりをつかんでいます。

 現在のところ、海上自衛隊のLCAC後継に関して、その方向性などは不明確です。しかし、特に近年の日英関係の強化や日本の防衛産業と海外メーカーとの連携強化という文脈を踏まえると、SSC以外の海外製ホバークラフトについて、提案される可能性は決して低くはないでしょう。

【了】

海自へ導入もあり得る? LCAC後継(画像で見る)

【ミリタリー】急げ、救え! 自衛隊「災害派遣」の現場にせまる!

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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