“使えるぞ”を見せつけた!自衛隊「ホーバークラフト」のメリットとは 能登半島地震で活躍も運用は岐路に
海上自衛隊のエアクッション揚陸艇が能登半島地震で孤立地域への重機や救援物資の輸送で活躍しています。この揚陸艇は一般的な船とは異なる構造ですが、それゆえのメリットがあるとか。ただ運用の岐路に立っている模様です。
石川県の輪島に海路救援の手が
2024年元日に発生した「令和6年能登半島地震」に対し、防衛省・自衛隊は約1万人態勢で人命救助活動などにあたっていますが、半島北部に通じる道路が混雑し、緊急車両などの通行に支障をきたしていることが石川県などから発信されています。
そうしたなか海上自衛隊は、輸送艦「おおすみ」が搭載するエアクッション艇、通称「LCAC(エルキャック)」を使って、被災地域である石川県輪島市の大川浜へ、重機や救援物資などを輸送しました。
LCACはアメリカで開発されたホバークラフト(ホーバークラフト)型の揚陸艇です。ホバークラフトは、船体下部に備えたゴム製のクッション材に空気を送り込むことで、それを膨らませ、さらにこのゴム製クッションと水面の間に空気を噴出することで、水面から浮上して高速航行します。
このように水面から浮くため、一般的な艦船のように水中で水をかき回すスクリュープロペラや、進行方向を変えるための舵がありません。推進力は船体後部にある巨大扇風機のようなプロペラを回すことで風力によって生み出しており、方向転換はそこに備えられたラダーで風の方向を変えることで行います。
このような構造ゆえに砂浜のような、比較的凹凸の少ない場所であれば、地上も進むことができます。また、そういった場所に直接上がってしまえば、エンジンを止めて船体下部のゴム製クッションをしぼませ、艇体の導板を下げることで、運んできた車両や人員などを直接揚陸させることが可能です。
今回の災害では能登半島の北部には地盤が隆起して海水がひいて使いものにならなくなった港湾が複数あるらしい 今後もこの種の装備の必要性は些かも無くなることはない
能登半島地震の運用では波高制限ギリギリで大分波に煽られていたように見えた。記事では速度に注目していたが、実運用では安定性が求められるのではないかと感じた。