「背の低いミニバン」今なら受け入れられる? ホンダの原点回帰は新しいのか、“時代に逆行”なのか

ホンダが新たなEVのラインアップ「0(ゼロ)シリーズ」を発表。そのコンセプトはまさに、日本でかつて流行った「背の低いミニバン」です。ホンダの原点回帰は、EVの時代に受け入れられるのでしょうか。

EVに適用すれば“全てが良し”? ホンダの「MM思想」

 もともとホンダは「MM思想」を体現した製品を数多くヒットさせてきました。燃料タンクを、後輪まわりではなく、車体の真ん中の床下に置くことで、室内を広くしたのが「フィット」と「N-BOX」です。これも「MM思想」そのもの。

 また、背の低いミニバンとしてヒット作となったのが「オデッセイ」でした。特に、現行モデルは、床を薄くすることで、低い背のまま室内空間を広くしています。これも「MM思想」と言えるでしょう。

 そうしたホンダ独自のヒットの法則が「MM思想」です。EVに当てはめれば、全高を低くすることで、空気抵抗が小さくなるほか、機械が小さいので、クルマは軽くなります。軽く抵抗が少なければ、搭載する駆動用バッテリーが小さくても航続距離を稼ぐことができます。さらに、バッテリーが小さければ、価格は安くなり、充電にかかる時間も短くなります。薄く、軽くなれば、すべてが良い方向に転がり、まさに“賢い選択”というわけです。

 ホンダは、EV時代も「MM思想」で勝負をかけるということでしょう。

 しかし、現実社会は、理屈や理想だけでは通らぬもの。嗜好品という側面もあるクルマも、売れる理由は理屈や理想だけではありません。

 具体的に言えばミニバンです。日本は世界屈指のミニバン人気市場。そこで、圧倒的な強者となっているのが「背が高く大きなミニバン」です。Lサイズクラスでいえば、トヨタの「アルファード」が席捲しています。全高1935mmの見上げるような高さ、圧倒的な存在感の強さで人気を集めているのです。

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現行オデッセイ。背は高くなったが大人の背丈ほどだ(画像:ホンダ)。

 実のところ「背の低い」を売りにするホンダの「オデッセイ」も、時代の要請に合わせて、2013年に登場した現行モデルは、1500mm台であった先代や先々代より、100mm以上も背を高くしています。2023年に再販となった最新モデルは全高が1695mmあります。「アルファード」の1935mmと比べれば、十分に背が低いですが、ちょっと前の「オデッセイ」と比べれば、それでも背が高くなっています。

【なるほどオデッセイだ】これがホンダの「新EVシリーズ」です(画像)

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