「急行→普通→急行」何がしたいの!? 名鉄ダイヤのお家芸「種別変更」の背景にある「逆転の発想」とは
「苦肉の策」の背景にある「個々の駅を大事にする」考え
このように、名鉄ならではと言える頻繁な種別変更や特別停車について同社は、「各駅の利用状況などをふまえ、列車本数や間隔を考慮し、お客様の利便性向上を図っています」と話します。
優等列車と各駅停車をただ順番に配置するだけでは、駅によっては「すぐ次の列車が来て、その次はなかなかやって来ない」といったアンバランスな発車間隔になることがあります。
名鉄には逆の発想で、「この駅にはこれだけ本数がほしい」「あの駅はこれだけの本数で十分」という、個別の駅ごとの理想の本数が念頭にあります。それを実現させようとすると、「この時刻に通過していく急行が、この駅に停車してくれたらいいのに」「この時刻に停車する普通は、べつに通過しても差し支えないだろう」という“停車駅のやり取り”が発生します。
その結果、普通が一区間だけ準急になったり、特定の列車だけ本来の通過駅に特別停車することになるのです。
かつて「岐阜から普通、新鵜沼から急行、名古屋から準急、新安城から普通、東岡崎行き」と目まぐるしく種別変更する列車が早朝に走っていました。2023年のダイヤ改正で新鵜沼発に短縮され、種別変更は3回から1回に減っていますが、やはり全国的に見て特異な運用であることには変わりないでしょう。
ちなみにこの列車は現在、新鵜沼6時50分発の普通豊橋行き(名古屋から急行)で、先述した同駅6時47分発の急行と数分差で「抜きつ抜かれつ」のランデブー走行を繰り広げます。
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