「出演者全員裸です!?」 どんどんクセが強くなる飛行機の「機内安全ビデオ」 一体なぜなのか

エア・インディアが新たな機内安全ビデオを公開。これはほとんどの時間で出演者がインド舞踊を踊っているという個性的なモノです。ともすれば“お作法”的になりかねない機内安全ビデオに、強烈な個性をぶつける意図とは何でしょうか。

「ミスター・ビーン」も出演?

 2024年2月、インドの航空会社エア・インディアが新たな機内安全ビデオを公開しました。これは要点では酸素マスクや救命胴衣の装着方法、機内での禁止事項などを説明しているものの、ほとんどの時間で出演者がインド舞踊を踊っているという個性的なモノです。

 実は近年、こうした機内安全ビデオに強烈な個性を込める動きがあります。なぜその必要があるのでしょうか。

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ニュージーランド航空。機内安全ビデオのユニークさには定評がある(乗りものニュース編集部撮影)。

 とくに“ぶっ飛んだ”機内安全ビデオを生み出してきたのが、ニュージーランド航空です。同社ではかつて、出演者全員を裸にし、制服などのボディペイントを施した状態で出演させるという伝説の機内安全ビデオを放映していました。

 またこれだけではなく、冒険ものの映画のような構成となっている「壮大すぎる機内安全ビデオ」や、終始フィットネスをしながら安全説明をするビデオなども放映したこともあり、「おもしろ機内安全ビデオ」は同社のユニークな特徴のひとつとなっています。

 このほか、イギリスのブリティッシュ・エアウェイズでは、有名人を起用したビデオを放映しています。過去には「ミスター・ビーン」でおなじみローワン・アトキンソン氏や、暴言レベルの辛口な話し方を特徴とする世界的シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏などが起用されています。

 一方、現在の日本ではスター・フライヤーが「スターフライヤーマン」というロボットを用いた安全ビデオを放映。また、過去にANA(全日空)では、「歌舞伎」をテーマにしたビデオを放映していたこともありました。

 機内安全ビデオは、ともすれば画一的な“お作法”的なものになりがちでしょう。しかし、航空会社にとっては、緊急時の対応の一環として「必ず見てもらわなくてはならない」ものです。演出を凝らして「映像として面白い」ものすることにより、乗客の注意を引き、より見てもらいやすくなる効果も考えられます。

「機内での安全に関わる大切な情報を伝える」という重要な役割がある機内安全ビデオについても、より分かりやすくし、確実に乗客へ伝えるとともに、興味を持って見てもらえたら――。過去に歌舞伎をテーマとした安全ビデオを放映したANAは、このようなコメントを残しています。

【了】

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