戦闘機、なぜ「大小」ある? どっちが強い? 世界のパイロットに聞くと意外な答えが

「戦闘機のサイズ」国によって傾向アリ?それぞれの強みとは

 そして、開発予算が限られていれば、小型を選択するのが一般的です。このため、かつての冷戦下における戦闘機導入状況を見ると、軍事費を多く支出した米国・旧ソ連の戦闘機は大型に、東西両陣営の傘下だった国では小型になる傾向がありました。

 大型の戦闘機の方がミサイルも多く積めて有利と思われる反面、相手を直接見る格闘戦では、大きいゆえに見つけられやすいといわれています。実際、航空ショーの会場で話したシンガポール空軍関係者によると、かつて同国空軍が使っていた小型戦闘機F-5Sを指して、「F-15SGよりサイズが小さいのは有利だ」と話していました。

 なお、過去にはタイ空軍のグリペンCが、大型のSU-30MKMと同シリーズで中国空軍が使うSu-27戦闘機を破ったこともあります。しかし、これは相手を直接見ずに、レーダーを使った目視外の模擬演習ということでした。

 このため、あるグリペンの操縦士は、決して「見つけにくい」ことを楽観視していません。「相手となったSu-27は電子装備が古いレガシー(旧式機)だった」と前置きしたうえで、現代の空中戦は、相手のレーダー電波を妨害したりステルス機能で被発見率を減らしたりして「電子戦の環境を整える」とし、そのうえで“懐に飛び込まれた”接近戦で「機体の小ささは見つけられにくく、自分たちを有利に導く」ものとしました。

 現代はこのように電子戦の重要性が非常に高いのですが、それでも勝利へ万全の態勢を期すために、各国は、戦闘機同士の相手を直接見る空中戦の訓練も欠かしていないともいえるでしょう。

【了】

※誤字を修正しました(3月14日19時23分)

【写真】違いすぎだろ! ほぼ同じ目的の戦闘機のデカさ比較

Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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