夜の道路の白線「めっちゃよく見える!」「全然見えない」なぜ違いが? 秘密は塗料の材料にあり
夜にクルマで道路を走っていると、区画線や路面標識などの白線が、やけにハッキリと見えることがあります。逆に、白線が消えかけていると、全く見えない場合も。実は、目の錯覚という訳ではなく、視認性を高める工夫がされています。
塗料に混ぜるガラスビーズが光っていた!
夜にクルマで道路を走っていると、区画線や路面標識などの白線が、やけにハッキリと見えることがあります。もともと路面のアスファルトの黒と白のコントラストで見えやすくはありますが、実はそれ以外にも理由があるのです。
区画線や路面標識で使用する塗料の材料には「ガラスビーズ」と呼ばれる、小さなガラスの粒子が含まれています。そのビーズがクルマのライトに反射することで、夜間の視認性を高めています。また、オレンジ色のセンターラインにも同じ材料が入っており、同様に反射して目立つようになっています。
国土交通省によると、道路の白線の塗料は大きくわけて「溶融式樹脂塗料」と「水性塗料」の2タイプがあるそうです。
溶融式樹脂塗料」は樹脂材・骨材・顔料でつくられており、粉末状の材料をトラックなどに搭載した溶融釜に入れて熱し、液状化させて、それを施工機と呼ばれる線を引く機械に入れて道路に白線を引きます。その際、樹脂塗料にガラスビーズを混ぜています。
水性塗料は、その名の通り水を使用した塗料で、ドラム缶に入っているものをそのまま路面に吹き付けて施工します。車道外側線や車線境界線に長い距離のラインを引く場合に使用されるそうで、高速道路の白線などは、この塗料を使いペイントマーカー車がラインを引いています。水性式の方も、塗料が乾く前の白線の上にガラスビーズを散布して夜間視認性を確保しているようです。
しかし、そうした白線なども塗料が摩耗することで、ガラスビーズもなくなってしまうため、反射しなくなってしまいます。工事で頻繁に白線を引き直しているのはそのためです。
【了】
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