艦も乗組員もヘロヘロ…!? 原子力潜水艦「長すぎる任務期間」に批判の声 ずーっと海底、「そりゃミス起こる」指摘も 英

イギリス海軍の原子力潜水艦「ヴェンジェンス」が長期間の航海を終えて帰港したことが話題となっています。というのも、同潜水艦が201日というかなり長い期間に渡り任務についていたからです。

英国海軍史上2番目の任務期間の長さ

 イギリス海軍のヴァンガード級戦略ミサイル原子力潜水艦「ヴェンジェンス」が2024年3月18日、長期間の航海を終えて帰港したことが、イギリス国内で問題となっています。というのも、イギリス海軍潜水艦としては史上2番目に長い、201日という任務期間だったからです。

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ヴァンガード級潜水艦(画像:イギリス海軍)。

 本来、潜水艦の任務は60~70日が適切とされるなか、イギリス海軍の潜水艦は長期間の任務になる傾向が強くなっています。「ヴェンジェンス」以外の4隻のヴァンガード級も、150日を超える長期間に渡り、遠洋でのパトロール任務に就くケースが度々ありました。

 どうして長期間に及ぶ任務になってしまうのか、それは同級艦の“4隻”という保有数に原因があります。戦略型原潜として、常時の稼働を保つにはギリギリの隻数なのです。

 2023年は、ネームシップの「ヴァンガード」がオーバーホール中で、「ビクトリアス」も2022年に火災事故を起こし修理中だったため、残りの「ヴィジラント」及び「ヴェンジェンス」にシワ寄せがくる形となっていました。2023年9月に「ヴィジラント」と思われる艦が寄港したのも約195日ぶりでした。

 ちなみに、イギリス海軍潜水艦で最長の任務記録は、トラファルガー級攻撃型原子力潜水艦「トレンチャント」が2013年5月24日に記録した267日間です。

 ですが、こちらの艦は敵性水上艦艇や潜水艦の行動を監視する攻撃型潜水艦のため、期間は長いですが、まだ“ましな方”といえます。ヴァンガード級など、有事の際に水中発射型の核ミサイルであるSLBMの発射を行う戦略ミサイル原潜は、より厳重に情報を保護する目的で、もっと行動制限があるからです。

【うわ…フジツボが】これが、長期間の任務を終えた潜水艦です(写真)

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