「翼にジェットエンジン載っけた」異形NASA機、実は元プロペラ機!? 有能機がなぜ魔改造されたのか
いろんなところが先代から変わったDHC-5
DHC-5の尾翼の形状はT型となり低速時における昇降舵の効きを改善。さらに、エンジンは出力1450馬力の星形ピストン・エンジンのプラット・アンド・ホイットニーR-2000から出力3100馬力のジェネラル・エレクトリックT64ターボプロップエンジンに換装することで大幅にパワーアップしました。
こうした改良によって達成された離陸性能は、離陸滑走距離が701m、離陸後高さ15mに達する距離が838m、高さ15mから着陸進入して停止するまでの距離が613m、着陸滑走はわずか259mという性能です。つまり、長さ840mの前線飛行場から8.2トンの荷物を積んで離陸も着陸も可能という性能でした。
アメリカ陸軍では少数機が採用されベトナム戦争に投入されましたが、固定翼輸送機は陸軍から空軍に移管されることになり、空軍ではC-8Aと呼ばれました。これらの採用は少数機にとどまりましたが、同機の使いやすさが多くの国で評価され、総生産数は122機ながら、カナダをはじめ軍用機として19か国、民間輸送機としても3か国で採用されました。
そのようななか、DHC-5は新しい技術の実証機としても利用されることになります。このころ、航空業界は新たな課題に直面していたためです。
コメント