世界唯一かつ超特殊! 73年ぶりの新造「捕鯨母船」ついに完成 “カーフェリーっぽいカタチ”こそ新時代!
世界唯一となる「捕鯨母船」が73年ぶりに新造され、同じく世界唯一の捕鯨方式を行う会社に引き渡されました。最新鋭の電気推進システムをはじめ、特殊な設備を満載した新造船で、捕鯨文化の復興を図ります。
新造は73年ぶり! それまでどうしてた?
そもそも「日新丸」は日本水産(現ニッスイ)が遠洋漁業で使用するトロール船「筑前丸」として建造したものを、調査捕鯨のため捕鯨母船に改造したという経緯がありました。このためイワシクジラよりも大型のクジラを引き揚げることができないため、将来新たな大型鯨種を捕獲枠に加えるためには、相応の揚鯨能力を持つ新母船の建造が必須条件となっていました。
ただ、捕鯨母船自体が極めて珍しく、新造船となると川崎造船所が大洋漁業向けに建造し1951年9月に竣工した2代目「日新丸」までさかのぼります。これまでも新型の捕鯨母船を建造する計画があり、水産庁も交えて検討が進められたものの、100億円以上という高額な船価の見積もりや採算性の問題もあって立ち消えになっていました。
こうした背景もあり、共同船舶にとって「関鯨丸」は待望の新造捕鯨母船なのです。
「日本の鯨肉の年間消費量は2500トンぐらい。当社はそのうち1650トンを生産して売っている。我々としては毎年生産販売量を300トンから400トンずつ上げて、最終的には5500トン規模の消費マーケットを作ることを目指している」(所社長)。
関鯨丸は5月21日に下関港で出港式を行い、同月24日に東京港でお披露目を実施。25日に出漁し東北沖で初めて母船式捕鯨に従事した後、6月9日に仙台港に入港して荷揚げとシステムチェックを行います。そこから本格的な操業を始め、12月に下関港に戻ってくる予定です。
【了】
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