飛行機の「眉毛窓」なぜ必要? 旅客機はほぼ消滅、軍用機では健在なワケ

ひと昔前の旅客機には必ずといっていいほどあった「アイブロウ・ウインドウ」ですが、近年はほとんど見かけなくなりました。一方、軍用機ではいまだ必要な場合も。しかも、旅客機とは違う使われ方をしているようです。

比較的新しい機体でも設置、なんで?

ボーイング737のように長期間にわたって生産が続いている機種の場合、GPSによる着陸支援が実装された2005年以降の生産分以降で、アイブロウウインドウが廃止されました。この際、ボーイングは「過去のアイブロウウィンドウは乗務員に良好な視界を提供していました。しかし、今日の進歩した航法システムにより、これらの窓は時代遅れとなりました」と廃止の理由を述べています。

 ただ、旅客機からは姿を消したアイブロウ・ウインドウですが、軍用機にはまだ残っているようです。アメリカ空軍の機種でいうと、E-3早期警戒管制機やKC-135空中給油機、B-52爆撃機は製造年が古いため、見受けられます。一方、そこまで古くない機体、たとえば1991年に初飛行したC-17輸送機にも、アイブロウ・ウインドウが存在します。

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マクドネル・ダグラスMD-81のアイブロウ・ウインドウは左右に1枚ずつ(咲村珠樹撮影)。

 詳細こそ不明ですが、考えられる可能性としては「空中給油」が挙げられます。アメリカ空軍が採用するフライングブーム式の空中給油では、給油機の斜め下方からブームの届く範囲へ接近しなければなりません。この時、給油機を確認するため斜め上方の視界を確保するのに、アイブロウ・ウインドウの存在は便利そうです。

 とはいえ、空中給油の世界でも自動化の波は押し寄せてきており、将来的には自動で機体同士の間隔を調節可能となるような流れとなっています。軍用機の世界でも、徐々にアイブロウ・ウインドウのある機種はなくなっていくのかもしれません。

【了】

※一部修正しました(5月8日11時50分)。

【眉毛ないと印象も変わる?】ボーイング737の眉毛窓の有無を見比べ(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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