これが「脱・水戸岡デザイン」だ! 形式名が謎すぎるJR九州「漆黒の新観光特急」 神髄は車内にあり!

JR九州が久大本線に新たな観光特急「かんぱち・いちろく」を投入します。去就が注目されていた他路線の観光列車を再改造した新顔は、あまりにも存在感が大きすぎる「水戸岡デザイン」をどれほど変えたのでしょうか。

「脱・水戸岡」は車内にあり!

 車内へ乗り込んでみると、まず窓がワイドであることに気が付きます。2号車ラウンジ杉においては、そのほとんどが窓といって過言ではない大きさです。風光明媚な久大本線の沿線風景を展望するというコンセプトにしたものであり、極力窓を小さく、また障子などを用いて外部との仕切りを設けるなど車内空間における非日常感を趣に置いていた水戸岡デザインとは真逆の演出であると言えます。

 1号車の座席は大分・別府エリアの風土をモチーフに、火山や温泉、大分県旗をイメージした赤を、3号車には福岡・久留米エリアの風土をモチーフに、雄大な平野と山々、福岡の県章に使われている青をベースにしています。

 2号車も由布院・日田エリアにおける森林をイメージした樹齢約250年という杉の一枚板をカウンターに据え、シンプルにかつ、天井やテーブルに大分・福岡産スギをふんだんに使用するなど、今回デザインを担当したIFОOが得意とする地域木材を生かしたデザインが随所に盛り込まれています。

 また、福岡・大分両県にゆかりのあるアーティスト10組が手掛けた車内アート24作品が装飾されている点にも注目です。

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大分での見学会が終わり、大勢の人に見送られて車庫へ引き上げる(坪内政美撮影)。

 久大本線の新しい「顔」となる新観光特急「かんぱち・いちろく」は4月26日より、博多から由布院・大分・別府行きを特急「かんぱち」として月・水・土曜日に、別府から博多行きを特急「いちろく」として火・金・日曜に運転します。なお乗車は、専用ホームページまた旅行会社での申し込みが必要で、みどりの窓口や券売機での発売は行っていないので注意が必要です。

【了】

【まさに水戸岡デザイン“アップデート”】「かんぱち・いちろく」車内(写真で見る)

Writer:

1974年生まれ、香川県在住。いつでもどこでもスーツで撮影に挑む異色の鉄道カメラマン・ロケコーディーネーター。各種鉄道雑誌などで執筆活動をする傍ら、予土線利用促進対策協議会のアドバイザーやテレビ・ラジオにも多数出演するなど、鉄道をワイフワークに活動している。著書に「鉄道珍百景」「もっと鉄道珍百景」「駅スタンプの世界」「100万キロを走ったセドリック」(いずれも天夢人刊)がある。

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