「LCCは安いから機体も古いよね~」←実は正反対!? あえて「ピカピカの機体」導入し、退役も早い! そのメリットとは
あえて新造機を導入する理由とは
LCCの担当者はさらに、中古機のデメリットを次のように話します。
「一般的に飛行機は、飛行時間や飛行回数に比例して不具合の発生確率は増える傾向にあります。特に、今まで異なる環境や品質管理体制で運航されていた飛行機は、より多くの労力を割く必要がある可能性もあります。それに応じたコストもかかりますし、そのあいだ、飛行機は使用できませんので、稼働率にも影響してきます」
同氏は、「LCCのビジネスでは、機材をできるだけ多く稼働させることが重要」とのこと。中古機はその点でリスクがあるというわけです。想定より機材の稼働率が低いとき、一部の飛行機を他社にサブリース(転貸)するケースも珍しくありません。
通常フルサービスキャリアでは、新造導入された旅客機は20年から25年使用されることが一般的です。しかしLCCでは、それよりもはるかに短い期間で、その航空会社での役目を終えるケースも。
これもやはり、機体の稼働率、つまり同じ機体が担当する運航便数が多いことが関係しているようです。「見方によっては、機材の整備や点検、部品交換がフルサービスキャリアよりも、実は多くなります。その際の部品も都度コストが生じますし、稼働率も下がってしまいます。そういったコストを総合的に検討したうえ、比較的機齢が低い状態で退役させることも選択肢のひとつ」なのだとか。
とはいえ、日本のLCCがすべて新造機を導入しているわけではありません。中古機の場合、調達元は様々ですが、フルサービスキャリアのグループ会社にあたるLCCでは、親会社から機体を調達するパターンも多いようです。
たとえばJALグループの国際線LCC「ZIPAIR」の一部機体、ANA(全日空)グループのLCC系国際線航空会社「AirJapan」などでは、それぞれJAL・ANAで用いられていたボーイング787-8が使用されています。
【了】
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