いまや激レア?「3発エンジンの旅客機」なぜ消えた? かつては長距離路線の有能機だったのに

現代の旅客機は、エンジンが2基の「双発機」、もしくは超大型機で採用される「4発機」のどちらかです。しかし、かつてはエンジンを3発備えた旅客機も少なくありませんでした。どういった理由で作られ、消えたのでしょうか。

「3発機の最強要素」奪ったのは?

 双発機が長距離を飛べるようになったのは、「ETOPS(イートップス)」というルールの設定です。これは「Extended-range Twin-engine Operation Performance Standards」を略したもので、国土交通省は「双発機による長距離進出運航」と訳しています。

 これはエンジンの信頼性が高まってきたなか定められたルールで、機体の設計や、航空会社それぞれの運航能力など、一定の基準を満たした航空会社の機体は、いわば特例として長距離運航が認められました。具体的にいうと、認定を受ければ双発機も最寄りの緊急着陸先の空港から60分以上かかるルートを超えて飛んでもよい、というルールです。

 たとえば「ETOPS-120」に認定されると、その機体は「エンジン1基でも120分(2時間)飛べる」とされ、緊急着陸できる空港まで120分の範囲に入るルートの飛行が許されます。

 なお「ETOPS-120」はボーイング767シリーズが1985年に初めて取得。日本もFAAに準じ、当時の運輸省が1989年に同シリーズの「ETOPS-120」を認めています。このルールにのっとった「ETOPS」の時間は、新型機が開発されるたびに長くなっており、エアバスの最新機種A350は「ETOPS-370」、ボーイングの最新機種787は「ETOPS-330」の認定を受けています。

 つまり前者は「特定の条件下に遭遇した場合、エンジンひとつでも370分(6時間10分)、後者は330分(5時間30分)飛べる」ということです。30年間で約3倍のスペックを有したのです。

 そうなると、3発機は「長い距離を飛ぶことが許されながら、高効率な旅客機」という特長を一気に奪われることになり、多くの航空会社で退役せざるを得なかったと見られます。

【了】

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