「この巨大砲弾、飛ばすの…?」記念艦「三笠」に乗ったら萌えまくった! 木製甲板の音で感じる“東郷元帥”
ラッタルの乗降には要注意!
それにしても、明治時代の日本人はまだ栄養状態もよくなく身体も小柄でしたから、これほど大きな砲弾を持ち上げたり砲台を動かしたりする力が、身体のどこに蓄えられていたのか不思議に思ってしまいます。全てはこの国を、そして大切な人たちを守るためだったんでしょうね。
私は海自オタとして、艦艇や“中の人たち”に萌えている身ですが、個人的に兵器そのものを賛美したくはなく、できれば一度も使わないまま錆びていくことを願っています。しかし、他国の脅威に立ち向かうために研究や鍛錬を重ね、運用せねばならない葛藤もまた受け止めて支えたいとも考えています。
答えのない問題を、ありのまま見せてくれる歴史遺産の1つが、横須賀の「三笠」なのでしょう。日本海軍から海上自衛隊へと受け継がれる「心」、長く後世に伝えていきたいと改めて思いました。
さて、順路どおりに「三笠」を巡ると、艦橋部分に上がることもできます。海とほぼゼロ距離のため、艦橋へ来るとまるで海に浮いているかのような景色に出会えるのが憎い演出です。
艦橋といっても現代の艦艇よりはシンプルな作りで、隣接する海図室や司令塔などと合わせてサラっと回れます。当時と同じかはわかりませんが、ラッタル(傾斜梯子)の角度は現代艦艇と同じく急勾配なので、見学するならスカートやハイヒール、サンダルでの乗艦は避けてください。
ちなみに、このラッタルを片手でスイスイ上り下りしている見学客を見かけたら、それは高確率で海上自衛官です。夫で海上自衛官のやこさんと一緒に見学をした時も、あまりにもラッタルの上り下りが早く、洋上で染みついた身のこなしに思わず二度見してしまいました。
次回は、いよいよ艦内を巡ります!
【了】
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。
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