レーザーガンより「レールガン」? 日本が最先端を行く“SFっぽい兵器”何がいいのか アメリカは足踏みのナゼ

SFでおなじみのレーザー兵器は、15年ほど前には実戦においてもゲームチェンジャーなるといわれていました。しかし課題も多く、注目され始めているのがレールガンです。そしてその研究の最先端を行くのが日本です。

時代はレールガンか

 一方で注目され始めているのがレールガンで、その研究開発で最先端を行っているのが日本です。主な特徴として以下の4点が挙げられます。

●弾丸を火薬の爆発力ではなく電気エネルギーで発射するため、極超音速で発射可能(防衛装備庁の資料によれば、戦車の主砲の初速が秒速約1750mのところ、最大実績値は秒速2297m)。

●初速が容易に可変できる。

●火薬を使わないので安全性が高い。

●弾丸サイズが誘導弾より小さく探知・迎撃されにくい。

 アメリカ海軍は2005(平成17)年からレールガンの研究開発を行ってきましたが、2021年に事実上中止しました。その理由のひとつがエロージョン(侵食)問題だったといわれています。報道によれば12~24発の射撃で砲身が使い物にならなくなったそうです。

 日本の防衛装備庁では、砲身の素材として、加工のしやすさから主に銅を使っていたところを、導電性が高く摩耗に強い素材に変更したほか、瞬間的に大きな電流が加わらないように電流の流し方を工夫することでエロージョン問題を克服し、秒速2000m以上の弾丸を120発まで発射することに成功しました。しかも120発撃ったあとでも、砲身に目立った損傷はありませんでした。

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防衛装備庁が開発中の、レールガンの研究試作品の概要(画像:防衛装備庁陸上装備研究所「極超音速レールガン連続射撃への挑戦」)。

 防衛装備庁はアメリカ海軍に技官を派遣しており、アメリカ海軍がこれまで蓄積してきたレールガン研究の実績を吸収しようとしています。また防衛装備庁は5月30日、フランス、ドイツと「レールガン技術の協力に係る実施要領」に関する署名を行ったと発表しました。レールガンは現状、航空機や戦車などに搭載できるほどコンパクトではありませんが、ドローンや極超音速誘導弾まで対処できるレーザー兵器とは違ったアプローチとして期待されています。

 これまでレーザー兵器に隠れて目立たなかったSF兵器が、日本の地道な取り組みで日の目を見ることになるかもしれません。

【了】

小さっ! これが「レールガンの弾」実物です(写真)

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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