JAL・ANA機らが代替着陸、行先は米軍「嘉手納基地」!? “珍事”なぜ起きた? 背景を基地に聞いた
嘉手納基地に聞く「3便受け入れの経緯」
「日本との2国間協定に基づき、嘉手納基地は(日本の空港の)代替空港として機能しています。5月31日については、那覇空港側から悪天候により航空機の着陸ができない連絡を受け、旅客機3機と航空自衛隊の戦闘機7機が嘉手納基地に着陸、天候の回復を待ちました」。
つまり、今後も同じような突発的な悪天候があれば、嘉手納基地への旅客機が代替着陸をする可能性はあるということです。
那覇空港と嘉手納基地は約25kmしか離れていないため、代替の機能は十分にあるといって間違いありません。また、嘉手納基地の2本の滑走路の全長は3689mで、那覇空港の3000mと2700mより長いため、操縦士にとって着陸はしやすいでしょう。
しかし、一部では嘉手納基地を離陸するまで時間がかかったことを指摘する声があります。基地内はあくまで「米国」なので、他の国内民間空港のように再出発の手続きを容易に実施することが難しいためです。
一方、嘉手納基地は、「安全は最優先事項であり、(日本などの)同盟国と協力して航空機の安全運航の確保へ支援できることをうれしく思います」とも回答しています。ここはもちろん課題といえるポイントですが、軍民、そして国を超えたタッグによって3便の安全が確保されたのは事実でしょう。
【了】
Writer: 清水次郎(航空ライター)
飛行機好きが高じて、旅客機・自衛隊機の別を問わず寄稿を続ける。
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