アメリカ空軍“嘉手納基地”トップが語った「中国への懸念」 緊迫するアジア太平洋 基地の役割とは?

「中国の行動」はどう分析?

――エバンス司令官が示した「いくつかの国」には中国が含まれていると思います。中国の現在の活動について、どのように考えていますか。

 中国への懸念はあります。中国空軍と海軍に加え、漁船に乗り組むいわゆる海上民兵は、近隣諸国に圧力を与えていると見ています。

 ただ、ここで明確に言えるのは、中国が自国の軍隊を整備するのは、国家として認められた権利であることです。米国は、国家としての権利に基づいた軍の整備を問題視しているのではありません。

問題視しているのは、中国がどのように軍隊を使っているかです。中国が近隣諸国へ圧力をかけるのに軍を使っているのを問題視しているのです。

 嘉手納基地に所属する航空機も洋上で中国の軍用機と遭遇することがあります。遭遇した際の緊張は、だんだんと高まっていると受け止めています。緊張については、インド太平洋地域の同盟国の航空機が中国軍機と遭遇した際は同じことがいえます。

こうした緊張を抑えるために、私たちは自分たちを守る力を高めていく必要があります。米国と同盟国がお互いに学びあうのです。

※ ※ ※

 エバンス司令官には、嘉手納基地が日々の活動と周辺住民の生活への配慮をどう両立させているかや、同基地の戦闘機配備の状況などを聞いています。これについては別の記事でお伝えします。

【了】

【写真】WOWって感じ!これが「極東最大の米軍基地」内部です

Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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