なんというスケール…高速道路上の巨大「足場要塞」ついに潜入 「石ころ一つ落とさない」ために準備6年!? 今まさに格闘中!

高速道路上に築かれた巨大な足場の“要塞”、その内部がついに一般公開されました。この足場を含め、6年をかけて安全対策を構築した「リスクを取り除く」ための工事はいま、どうなっているのでしょうか。

なんじゃこりゃ! 「足場要塞」の正体「岩塊撤去工事」

 NEXCO東日本は2024年6月16日、群馬県安中市の上信越道で実施している「北野牧工事」の現場を一般公開しました。

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上信越道 北野牧トンネル上に構築された足場(乗りものニュース編集部撮影)。

 現場は上信越道 碓井軽井沢ICの北側です。ここではトンネルの上に高さ70m(現在は約50m)もの足場が築かれ、もともとトンネル上に露出していた岩山(岩塊)を覆っています。この岩塊を削り取って撤去する工事が進められているのです。

「一般的にこうした岩塊はダイナマイトで破砕しますが、供用中の高速道路に石ころ一つ落とすことはできません。そのため、上から静かに、少しつずつ岩塊を削り取っています」(NEXCO東日本 長野工事事務所長 小暮英雄さん)

 その「石ころ一つ落とさない」ための安全対策のひとつが、この要塞のような足場です。高速道路本線にはロックシェッドと呼ばれる防護工をトンネルに張り出す形で設置しているほか、岩塊にはあらかじめ崩落を防ぐためのロックボルトが1200本も打たれています。このほかにも本線や工事現場周辺の至るところにネット状の落成防護工が施されています。

 現場は非常に急峻な地形で、いまも落石が発生することもあるそう。この現場に工事ヤードと搬入路を構築し、作業員の移動用に高速道路の下からヤードまで斜面に簡易モノレールを敷設したほか、工事車両用に「インクライン」も設置しています。これはいわば、車両ごと上り下りができる巨大な“斜めエレベーター”です。

 北野牧工事では、ここまでの準備に6年をかけ、2023年2月から岩塊の撤去がスタートしました。それから1年で、約23mを撤去したといいます。

 あと2年ほどで撤去を完了する見込み。つまり、足場の要塞はだんだんと低くなっています。撤去した足場は、ロックシェッド付近に置かれた230t吊りの大型クレーン車で慎重に搬出しています。

 ちなみに工事が終わればロックシェッドも撤去するそう。では、そもそもなぜ、ここまで大規模な工事を行って岩塊を撤去する必要があるのでしょうか。

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