装甲車を超えた!? ランクル“防弾仕様”がスゴイ! 手榴弾にも耐える!?「とにかく300系がベスト」な理由

自重はなんと原型の倍 だから安心!

 デモンストレーションにおいて、まるで戦闘車両のような活躍を見せてくれたGIGNのランクル。この車両にはどのような改造が施されているのでしょうか。

 GIGNのランクルを改造したのは、フランス企業センティゴン(Centigon)です。同社は車両の防弾化を専門に行う架装メーカーで、オーダーメイドによる民間車両の防弾化や、軍用トラックのキャブ部分の製造などを手掛けています。そのため、顧客にはGIGNのような特殊部隊や各国軍隊、フランス内外の安全保障企業などが名を連ねています。

 2024年現在、ランクルはより新しい300系にモデルチェンジしているため、同社でも同モデルを防弾改造し「ランドクルーザー・フォートレス300」の名称で販売しています。なお、ランクル300系はヨーロッパで入手するのが難しくなっているそうですが、それでもベース車を他モデルに切り換えることはせず、わざわざアジア圏や中東地域から輸入して生産を続けているとセンティゴンの担当者は語ってくれました。

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「ユーロサトリ2024」で防弾仕様のランドクルーザーによる要人救出のデモンストレーションを披露するGIGN(布留川 司撮影)。

 今回のデモンストレーションで登場したのは、前述したようにランクル200系ですが、担当者いわく、防弾車のベース車体にするには、その優秀性からランクル300系が最適なのだそう。

「防弾のグレードにもよりますが、弊社で改造した防弾車の自重は約5tにもなります。その重さに耐えられるようブレーキやサスペンション、ホイールは交換しますが、ランドクルーザー300のフレームとエンジンは、そのような重量増にも問題なく対応できるため、その点からも優秀な車両だといえます」

 ちなみに、ランクルの車重は200系も300系もおおむね2.5t前後です。そのため、それと同等の重さの防護モジュールを組み込んでいる計算になります。

 ただ、そこまでしているため、防弾レベルは国際規格であるVR7を満たしているとのこと。これは、9mmパラベラム弾などといった拳銃弾だけでなく7.62mmのライフル弾も車体全周において耐えられる性能で、手榴弾に対しても一定サイズまでであれば床と屋根は耐えられます。さらにオプションを付ければ、2m離れた位置で爆発した15kgのTNT爆薬から乗員を守ることも可能です。

 ちなみにセンティゴン社では、防弾性能を確認するために車体を実射する試験も定期的に行っており、その回数は年間で1000回を越えるそうです。

【ドア穴だらけ!】これが「爆発にも耐えるランクル」です(写真)

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