装甲車を超えた!? ランクル“防弾仕様”がスゴイ! 手榴弾にも耐える!?「とにかく300系がベスト」な理由

見た目は一緒、でも車内は大違い

 防弾性能のカギとなるのは、追加された防弾用の装甲板です。防弾仕様のランクルは、外見を市販車両とほぼ変えず、装甲板はボディ内側に装着する構造となっています。そのため、防弾のグレードを上げると内側に装甲が増すことから、車内空間がそのぶん狭くなっていきます。

 この防弾ランクルのような要人警護や捜査活動などで使う車両の場合、乗員の安全に直結する防弾性能は大事である一方、それとともに一般車両と変わらない見た目、すなわち目立たないという点も重要になるそうで、そのバランスを取るのが簡単ではないとのこと。

 顧客の用途にあったベストな防弾車を作り上げるのは、長年の蓄積されたノウハウがモノを言うそうで、その分野に関してセンティゴン社は70年以上もの長い歴史と経験を持っていると語っていました。

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「ユーロサトリ2024」におけるセンティゴン社の出展ブース(布留川 司撮影)。

 センティゴン社の防弾車両は、完成後に官公庁が実施する自動車としての走行試験も受けており、一般車と同じようにナンバープレートも交付されています。そのため、この車両が路上を走っていても、ぱっと見ではそれが特殊部隊や要人の乗った特殊車両だとはわからないでしょう。

 日本でも、ランクルは警察、消防、自衛隊などの官公庁を始めとして、高速道路会社やJAF(日本自動車連盟)の支援車両など幅広く使われています。

 かなりの重量物を車体に積んでも高い悪路走破性と堅牢性を誇るという点で、センティゴン社やGIGNの信頼を勝ち取っているランクルの優秀性は、やはりタダ者ではないと現地で話を聞いて改めて感じることができました。

【了】

【ドア穴だらけ!】これが「爆発にも耐えるランクル」です(写真)

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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