イタリアが考えた最強の攻撃ヘリ「チームで勝てればイイじゃない!」戦法変えれば有用か?
イタリアの大手航空機メーカー、レオナルドが完全新規設計の攻撃ヘリコプターを披露しました。外観こそオーソドックスなものの、中身は現代戦に適合できるものだとか。戦い方も従来機とは全く異なるそうです。
新規開発されたイタリア製の次世代攻撃ヘリ
イタリアの航空機メーカーであるレオナルドは、2024年6月にフランスのパリで開催された防衛見本市「ユーロサトリ2024」に、新型攻撃ヘリコプターAW249を出展し、一般人に対して初公開するとともに、メディアや軍関係者を対象にしたセレモニーとメディアブリーフィングを実施しました。
同機は、イタリア陸軍が現在運用しているA129「マングスタ」攻撃ヘリコプターの後継として開発されたものです。2022年に試作機が初飛行を行っており、開発が順調に進めば2027年からイタリア軍への配備が始まる予定です。イタリア陸軍はこのヘリコプターにAH-249A NEES(新型観測・護衛ヘリコプター)という型式を与えており、愛称は「フェニーチェ(不死鳥)」となるそうです。
近年では珍しく、新規開発された攻撃ヘリコプターであり、メーカーのレオナルドも、会場では「A129の発展型ではなく、AW249は完全な新規設計」と胸を張っていたのが印象的でした。
デザインは、攻撃ヘリとしてはスタンダードなもので、コックピットは射撃手と操縦手(パイロット)が前後に座る、いわゆるタンデム配置です。機体フォルムは正面からのシルエットと被弾面を最小限にするために、左右を極限まで切り詰めた前後に細長い形をしています。
武装は、機首に20mm口径の3砲身ガトリング砲を固有武装として備えるほか、胴体側面のスタブウイングには、4つあるハードポイントを使って70mmロケット弾ポッドや対地ミサイル、対空ミサイルなどを搭載できます。ここには射程16kmの誘導ミサイル「スパイクER II」も搭載できるため、敵の対空火器の反撃を受けないアウトレンジ攻撃も可能です。
しかし、近年では個人携行型対空ミサイルを始めとした各種対空兵器の能力向上と、ドローンの進歩・普及によって、攻撃ヘリの価値は低下しており、その運用自体が世界中の軍隊で見直されています。すでに、陸上自衛隊は攻撃ヘリと偵察ヘリを廃止して無人機に置き換えることを決定しており、アメリカ陸軍も新しい偵察攻撃ヘリの開発計画であるFARA計画を中止しています。
攻撃ヘリという存在自体が見直されている昨今において、レオナルド社とイタリア陸軍が新しくAW249の配備を進めている理由は何なのでしょうか。
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