海の「はやぶさ」に乗ってみた “妙に列車名っぽい船名”は昔から!? 新鋭船の実力とは?

一般旅客も使える一部のドライバーズルーム

 椅子席は非常に座席間隔が広く取られ、リクライニング角度がかなり大きなシートが設置されています。ドリンクホルダーもあります。窓際はソファとテーブルの置かれたフリースペースで、雑談などに便利です。区画にテレビもあり、天気がよければ甲板にも出られるので、様々な楽しみ方ができます。

 ドライバーズルームもあります。寝台は、個別をロールカーテンで完全に覆うタイプ。なお一部区画は、希望すれば一般乗客でも利用できます。

 共用のシャワールームは、タオルやシャンプーなどは備わっていないので、利用者が持ち込む必要があります。そのほかの設備として、飲料やカップ麺、おつまみが買える自動販売機、公衆電話、喫煙室などがあります。トイレは通常のものと、バリアフリー対応のものが設置されており、どちらも清潔でした。売店などは存在しないものの、自動販売機メニューが充実していますので、4時間弱の船旅ではあまり支障は感じません。

 なお、施設を示すアイコン類のデザインは秀逸で、「はやぶさ」からの進化を感じさせました。

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ドライバーズルーム。個室をカーテンで覆う(安藤昌季撮影)。

 津軽海峡部の航行は、「はやぶさ」「はやぶさII」も所要時間は同じ3時間50分程度ですから、どちらも速力19ノット(35.1km/h)程度だと思われます。「はやぶさII」のサイズは小さめですが、筆者の乗船時はそこまで気になる揺れはありませんでした。

 青森港フェリーターミナルは函館と違って、ライバルである津軽海峡フェリーのターミナルに近く、両方の船舶を同時に見ることもできます。

 決して派手ではありませんが、実用的かつ安価で、お洒落な青函フェリー「はやぶさII」。筆者は、また乗りたい船だと感じました。

【了】

【写真】「はやぶさII」の個室ほか、船内をイッキ見!

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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