海の「はやぶさ」に乗ってみた “妙に列車名っぽい船名”は昔から!? 新鋭船の実力とは?

青森~函館間を結ぶ青函フェリーは、ライバルの津軽海峡フェリーと競い合っていますが、近年、立て続けに新造船を投入しています。その新造船のひとつに乗ってみましたが、妙に「列車名っぽい」船ばかりなのです。

「はやぶさ」愛がすごい

「はやぶさ」「あさかぜ」と書くと、まるで新幹線や寝台特急のようですが、青森~函館間を運航する青函フェリーの船名でもあります。青函フェリーの前身だった共栄運輸が、1970(昭和45)年に初めて就航させた船舶の名前が「はやぶさ」なので、大切にしているのでしょう。引退した船にも「はやぶさ」と付くものが6隻もあります。

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青函フェリーの「はやぶさII」(安藤昌季撮影)。

 青函フェリーの現役船舶は、2009(平成21)年就航の「あさかぜ21」以外は全て「はやぶさ」です。内訳は2014(平成26)年就航の「はやぶさ」(4代目)と、2023年就航の「はやぶさII」、2024年就航の「はやぶさIII」となります。なお、青函フェリーは共栄運輸と北日本運輸が2022年に合併して誕生しましたが、北日本運輸の船舶は5隻中3隻が「あさかぜ」を名乗っていました。

 では、新鋭船の「はやぶさII」に乗船してみましょう。「はやぶさIII」とは姉妹船で、2隻の違いは「内装」とのことです。「II」は函館がモチーフで、「五稜郭」「おんこの木」などがデザインモチーフ。「III」は青森がデザインモチーフで、「りんご」「はまなす」などを装飾に取り入れています。

「はやぶさII」は総トン数2999t、全長115m、旅客定員300名、トラック36台または乗用車120台を搭載できます。置き換え対象の「あさかぜ5号」は総トン数1958t、旅客定員103名、トラック26台または乗用車85台ですから、かなり大型化しています。

 最新の造船技術により、船首の形を従来船と変えることで、抵抗を軽減して波による揺れを軽減したほか、船尾と船底の構造も変更。エンジンとスクリューも変更することで、エンジン音や最大出力時の燃料効率も低減しているそうです。ちなみに建造したのは地元の函館造船所であり、20年ぶりの新造船舶なのだとか。

【写真】「はやぶさII」の個室ほか、船内をイッキ見!

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