ソ連が生んだ「純度100%のB-29パクリ機」今も日本を脅かす!? その後世は“本家”とはだいぶ違う
民間転用などはなかったが…実はいまも“子孫”が幅をきかせてる?
Tu-4はその後850機以上が生産され、空中給油機や早期警戒機の派生型も生まれました。一方、本家B-29もエンジンを強化したB-50の誕生後、C-97輸送機と377「ストラトクルーザー」旅客機へ派生していきます。これに対し旧ソ連でも旅客機型のTu-70がつくられましたが、実用化には至りませんでした。
その後、米国ではジェット化によりB-29の“一族”は姿を消しますが、旧ソ連では、Tu-4と同じ胴体直径を持つ大型爆撃機Tu-95が生まれました。B-29を丸パクリしたTu-4の遺伝子を持つと言えるTu-95は今もロシア軍の中核をなし、2020年には近代化改修をしたTu-95MSMも初飛行しています。
直近でもたとえば2024年4月、2機のTu-95が日本海上空を飛び、航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)するなど、この機体は日本に今も緊張を強いています。昭和の後半、「尾部銃座の銃身がこちらに向けられた」と空自パイロットが語る、洋上で緊迫する冷戦の実態が新聞に載りましたが、このとき銃身を向けてきたのもTu-95でした。
戦時中、日本はB-29による大規模空襲で窮地に陥りました。そして令和の今もB-29、Tu-4の遺伝子を持つTu-95が日本の安全保障を脅かしていることに、複雑な感情を持たざるを得ません。
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